東急ロジスティック／平成１５年３月期経営成績

東急ロジスティック(株)の平成１５年３月期の経営成績は下記の通り。
経営成績
当期の概況
当連結会計年度における国内経済は、輸出に好転の兆しが見られたものの失速状態となり、設備投資も回復力の弱さや所得・雇用環境においても改善の動きが見られないなど、景気は足踏み状態で推移しました。
運送業界におきましては、公共投資の縮小、企業の設備投資への抑制などにより、建設関連貨物、生産関連貨物ともに低調であり、消費関連貨物も個人の消費活動が鈍く、荷動きは、依然として低水準でした。
このような状況にありまして、当社は、平成14年4月1日東急運輸株式会社と合併し、「東急ロジスティック株式会社」としてスタートしましたほか、同日東京通運株式会社を完全子会社化し、東急グループ運送事業の「選択と集中」による事業再編を図り、経営基盤の強化に努めました。
この経営統合をもとに、荷主ニーズに的確に応えるサービスの改善とともに、東急沿線地域に密着した新規事業の開発、物流センター業務と連携した一貫物流業務の開拓などに取り組みました。
設備投資につきましては、車両の増車・代替として冷凍車等の新規購入のほか、自社資産活用の一環として不動産賃貸用マンションの建設しました。
また、環境問題への取り組みにつきましても、都内のビール等輸送業務を担当する３事業所で、ISO14001を認証取得したほか、デジタルタコメータ装着車への切り替えや排ガス規制適合車の前倒し購入などを行い、環境負荷軽減に努めました。
以上の結果、当連結会計年度の営業収益は36 655 524千円(前期比92.2％増)、経常利益は1 945 261千円(前期比72.1％増)となりました。当期利益につきましては、合併による法人税等の調整で2 130 165千円(前期比294.9％増)となりました。
種類別の業績
(a)貨物自動車運送事業
量販店、コンビニエンスストア、専門店等の業務につきましては、店舗新設による輸送量の確保や作業の拡大に努めましたが、合併により業務が増加したものの、運賃・料金の下落傾向に依然として歯止めがかからず、また、荷主の物流業務の見直しや店舗の統廃合など厳しい状況が反映し、前期を下回る結果となりました。
百貨店業務につきましては、大口荷主百貨店が新物流体制に移行したことに伴い、配送業務や構内作業が減少しましたが、既存配送システムを活用した宅配業務で、配送の多様化を図ったほか、店内商品搬送業務に関連した業務にも新たな対応策で取り組むなど、収益改善に努めました。
ビール等輸送業務につきましては、猛暑による出荷の増加がありましたものの、輸送ルートの変更に伴う取扱量の減少が響き後退いたしましたが、合併により輸送業務が増加したことで、前期に比べ若干伸張を見ることができました。
その他の輸送業務につきましては、運賃・料金の値下げ要請や取扱量の減少など厳しい環境のもとで業績が伸び悩むなか、鉄鋼関係のトレーラー輸送、航空貨物の集配業務、商社関連の物流センター業務、個人引越業務など一部善戦したほか、合併による輸出や国内向け梱包業務など種々の物流業務が加わり、伸張しました。
以上によりまして、貨物自動車運送事業収入は33 75 725千円(前期比87.1％増)となりました。
(b)不動産賃貸管理業（省略）
(c)その他事業
倉庫業務につきましては、住宅設備機器関連の保管業務が新規に稼働しましたが、その他の保管商品については、全般に取扱量が伸び悩み、また、商品売上部門につきましては、製鉄所関連による需要で、若干伸びましたものの、総じて低調であり、その結果、その他事業収入は2 493 731千円となりました。