顧客満足度に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である（株）J.D.パワーアジア・パシフィック（以下：J.D.パワー）は、「2003年宅配便顧客満足度調査の結果」を発表した。
今回が初めてとなる同調査は、宅配便サービスを個人で利用し荷物の発送と受け取りを行なったことのある人を対象に2003年10月に実施した。
発送と受け取り、それぞれで過去半年間のうち最後に利用した宅配便業者に関する顧客満足度について全国の消費者1 655人から回答を得た。
調査では、発送と受け取り、それぞれの満足度に影響を与えるファクターを算出している。
発送時の満足度に影響を与えるのは5つのファクターで、「配達対応力」（35％）、「窓口の対応」（26％）、「費用」（19％）、「扱い荷物対応力」（11％）、「窓口の利便性」（9％）である。
一方、受け取り時の満足度に影響を与えるのは3つのファクターで、「配達員」（35％）、「荷物の扱い」（33％）、「再配達対応力」（32％）となっている（カッコ内は構成比）。
・ヤマト運輸は、発送と受け取りの両サービスで高評価
顧客満足度ランキングでは、ヤマト運輸が発送時と受け取り時の双方の満足度でトップの評価を得た結果、発送と受け取り両方を合わせた総合満足度で第1位となった。
発送では、満足度に影響を与える5つのファクターのうち「配達対応力」と「窓口の利便性」の2つのファクターの評価が高かった。
なかでも、配達日時指定への対応力、配達の速さ、発送のしやすさ（受付時間や曜日）等が大きな強みとなっている。
受け取りでは、満足度に影響を与える全てのファクターで他社を上回り、総合力の高さをうかがわせる結果となった。
総合満足度第2位には日本通運が入った。同社は発送時の満足度が高く、特に「窓口の対応」で高い評価を得ており、なかでも特に発送（集荷）受付時の対応のよさ、手続きのスムーズさといった点が強みである。
第3位は郵政公社で、受け取り時の満足度が高かった。「配達員」と「荷物の扱い」ではヤマト運輸に次ぐ高い評価水準にある。また発送時においても「費用」に対する満足度では競合他社を上回り、この点も強みとなっている。
・総合的な顧客対応力とサービス強化が、競争力強化へのカギ
宅配事業者を選ぶ際の決め手については「取次店／窓口までの行きやすさ」と答えた人が最も多かった。その一方で、半数近くの人が「今回利用した事業者の窓口よりも、近くに他社の窓口がある」と答えている。
また、宅配荷物の発送、受け取りに関わらず、満足度が高いほど次回の利用意向が高くなるという傾向もみられる。以上のことから、消費者は単に「近くに窓口があるから」というだけで事業者を選んでいるのではなく、各種の対応やサービス内容、実際の利用経験等に基づくその事業者への信頼性等を総合的に判断した上で、最終的にどの事業者を利用するか決定していることがわかる。
今後、宅配事業者がより多くの消費者に選ばれるよう競争力を高めるためには、満足度改善に向けたあらゆる取り組みが不可欠である。同時に、サービスの特色を消費者にわかりやすく打ち出すことによって競合他社との差別化を図ることが、ますます重要になるといえよう。
株式会社J.D.パワーアジア・パシフィックについて
当社はJ.D.パワー・アンド・アソシエイツ（略称JDPA 本社米国カリフォルニア州）の日本を含むアジア地域でのビジネスの拠点として1990年に設立された。自動車業界を始めコンピューター、通信関連、OA機器、サービス産業、金融など様々な業界において顧客満足に関する調査やコンサルティングを実施している。
インターネット上でホームページを開設しており、会社概要や提供しているサービスなどの情報を次のアドレスで入手できる。
J.D.パワーアジア・パシフィックホームページhttp://www.jdpower.co.jp
本調査に関するお問合わせ先
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コーポレート・コミュニケーション川野
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