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公正取引委員会/Mr Maxに不公正取引、優越的地位の乱用で勧告

2004年10月24日/未分類

公正取引委員会は、(株)ミスターマックス(Mr Max)に対し、不公正な取引方法、優越的地位の濫用等の規定違反として、勧告を行った

違反行為の概要
(1)ミスターマックスは、継続して取引する日用雑貨品、家庭用電気製品、食料品、衣料品等の納入業者に対し、自社の取引上の地位が前記納入業者に優越していることを利用して、決算等に際し、あらかじめ当該納入業者との間で合意した負担額を超える額の金銭若しくは目標として設定された粗利益額を達成するための金銭又は自社の店舗のじゅう器の設置等に要する費用として実際に要する費用を超える額の金銭を提供させている。

(2)ミスターマックスは、過剰在庫の整理に際し、その取引上の地位が自社に対して劣っている前記納入業者に対し、買取りを条件として納入された商品について、当該納入業者が負うべき責任がないにもかかわらず、商品の全部又は一部を返品している。

(3)ミスターマックスは、自社の店舗の新規開店・改装・閉店に際し、その取引上の地位が自社に対して劣っている前記納入業者に対し、自社の販売業務のための作業を行わせるために、その従業員等を派遣させている。

勧告内容
1株式会社ミスターマックスは、継続して取引する日用雑貨品、家庭用電気製品、食料品、衣料品等の納入業者に対し、自社の取引上の地位が前記納入業者に優越していることを利用して行っている、次の行為を取りやめること。
(1)あらかじめ当該納入業者との間で合意した負担額を超える額の金銭を提供するよう要請している行為
(2)目標として設定された粗利益額を達成するまで、あらゆる名目の下に金銭を提供するよう要請している行為
(3)自社の店舗のじゅう器(陳列棚など通常設置しているものを除く。)の設置又は新規オープン時のセールにおけるアドバルーンの賃借に要する費用との名目の下、実際に要する費用を超える額の金銭を提供するよう要請している行為

2株式会社ミスターマックスは、過剰在庫の整理に際し、その取引上の地位が自社に対して劣っている前記納入業者に対し、買取りを条件として納入された商品について、当該納入業者が負うべき責任がないにもかかわらず、商品の全部又は一部を返品している行為を取りやめること。

3株式会社ミスターマックスは、自社の店舗の新規オープン時、改装オープン時及び閉店時のセールに際し、その取引上の地位が自社に対して劣っている前記納入業者に対し、自社の販売業務のための商品の搬入、陳列、補充、撤去等の作業を行わせるために、その従業員等を派遣するよう要請している行為を取りやめること。

4株式会社ミスターマックスは、次の事項を前記納入業者に通知するとともに、自社の従業員に周知徹底すること。
この通知及び周知徹底の方法については、あらかじめ、当委員会の承認を受けること。
(1)前3項に基づいて採った措置
(2)今後、前3項の行為と同様の行為を行わない旨

5株式会社ミスターマックスは、今後、第1項ないし第3項の行為と同様の行為を行わないこと。

6株式会社ミスターマックスは、今後、第1項ないし第3項の行為と同様の行為を行うことがないよう、独占禁止法の遵守に関する行動指針に基づき、仕入担当者に対する独占禁止法に関する研修及び法務担当者による定期的な監査を行うために必要な措置を講じること。この措置の内容については、あらかじめ、当委員会の承認を受けること。

7株式会社ミスターマックスは、第1項ないし第4項及び第6項に基づいて採った措置を速やかに当委員会に報告すること。

理由
第1事実
1(1)株式会社ミスターマックス(以下「ミスターマックス」という。)は、肩書地に本店を置き、日用雑貨品、家庭用電気製品、食料品、衣料品等の小売業を営む、いわゆる総合ディスカウントストア業者であって、群馬県、千葉県、広島県、山口県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県及び宮崎県の区域において、「MrMax」と称する小売店舗を40店舗展開しているところ、これらの店舗のうち、政令指定都市の区域内に所在する8店舗中5店舗の売場面積は3、000平方メートル以上であり、政令指定都市以外の区域内に所在する32店舗中31店舗の売場面積は1、500平方メートル以上である。
(2)ミスターマックスは、九州地区における総合ディスカウントストア業者の中で最大手の業者である。
(3)ミスターマックスと継続的な取引関係にある日用雑貨品、家庭用電気製品、食料品、衣料品等の納入業者(以下「納入業者」という。)は、約300社であるところ、納入業者にとって、ミスターマックスは重要な取引先であり、納入業者の多くは、ミスターマックスとの納入取引の継続を強く望んでいる状況にある。このため、納入業者の多くは、ミスターマックスとの納入取引を継続する上で、納入する商品の品質、納入価格等の取引条件とは別に、ミスターマックスからの種々の要請に従わざるを得ない立場にあり、その取引上の地位はミスターマックスに対して劣っている。

2(1)ミスターマックスは、毎年度、日用雑貨品、家庭用電気製品、食料品、衣料品等の仕入部門ごとに、あらかじめ納入業者との間で,
ア納入業者ごとに仕入金額の目標を設定した上で、目標の達成度に応じて段階的に設定した一定率により算出した額の金銭
イ仕入金額に一定率を乗じて算出した額の金銭
ウ仕入金額によらず一定額の金銭のいずれかを負担させることについて合意し、おおむね9月の中間決算期及び3月の本決算期に、前記合意に基づく金銭的負担の提供を求めているところ(ミスターマックスが納入業者に対して提供を求めている金銭的負担を以下「協賛金」という。)、納入業者との間の納入取引に影響を及ぼし得る仕入担当者(以下「バイヤー」という。)から納入業者に対し、あらかじめ納入業者との間で合意した負担額を超える協賛金の提供を要請している。

これらの要請を受けた納入業者の多くは、ミスターマックスとの納入取引を継続して行う立場上、その要請に応じることを余儀なくされている。

例えば、平成15年度において、納入業者延べ約250社は、前記要請を受け、あらかじめ合意した額を超える額の協賛金として、9月の中間決算期に総額約3800万円、3月の本決算期に総額約7500万円を提供している。

(2)ミスターマックスは、毎年度、前記の仕入部門ごとに、粗利益額についての目標を設定しているところ、おおむね9月の中間決算期及び3月の本決算期に、この目標を達成するまで、前記2(1)の協賛金のほか、あらゆる名目の下に協賛金の提供を繰り返し要請している。

これらの要請を受けた納入業者の多くは、ミスターマックスとの納入取引を継続して行う立場上、その要請に応じることを余儀なくされている。

例えば、平成15年度において、納入業者約200社は、前記要請を受け、総額約4億9000万円を提供している。

(3)ミスターマックスは、自社の店舗のじゅう器(陳列棚など通常設置しているものを除く。以下同じ。)の設置又は新規オープン時のセールにおけるアドバルーンの賃借に際し、自社の店舗のじゅう器費又はアドバルーン費との名目の下、納入業者に対し、実際に要する費用を超える額の協賛金の提供を要請している。

これらの要請を受けた納入業者の多くは、ミスターマックスとの納入取引を継続して行う立場上、その要請に応じることを余儀なくされている。

例えば、平成15年度において、納入業者延べ約500社は、前記要請を受け、実際に要する費用を超える額について、協賛金として総額約1800万円を提供している。

3(1)ミスターマックスは、納入業者との間の納入取引のほとんどすべてについて買取りを条件としており、買取りを条件とした商品については、納入業者との間で事前に納入価格等の取引条件を交渉の上決定している。

(2)ミスターマックスは、毎年度、日用雑貨品、家庭用電気製品、食料品、衣料品等の仕入部門ごとに、在庫高及び商品回転率についての目標を設定しており、この目標を達成するため、過剰在庫の整理に際し、商品回転率の低い商品及び入替えの対象となる定番商品の在庫品について、納入業者に対し、前記仕入部門ごとに当該商品の在庫品の全部又は一部を返品している。

これらの返品を受けた納入業者の多くは、ミスターマックスとの納入取引を継続して行う立場上、当該納入業者が負うべき責任がないにもかかわらず、商品の返品を受け入れることを余儀なくされている。

例えば、平成15年度において、ミスターマックスは、中間決算期である平成15年9月に、商品回転率の低い商品について納入業者約40社に対し総額約4000万円、入替えの対象となる定番商品について納入業者約110社に対し総額約1億6000万円、本決算期である平成16年3月に、商品回転率の低い商品について納入業者約50社に対し総額約5900万円、入替えの対象となる定番商品について納入業者約80社に対し総額約3700万円に相当する当該商品の在庫品を返品している。

4ミスターマックスは、かねてから、自社の店舗の新規オープン時、改装オープン時及び閉店時のセールに際して自社の販売業務のための商品の搬入、陳列、補充、撤去等の作業(以下「陳列等作業」という。)を納入業者に行わせることとし、あらかじめ納入業者との間でその従業員等の派遣の条件について合意することなく、バイヤーから、納入業者に対し、陳列等作業を行わせるためにその従業員等の派遣を受けることを必要とする店舗及び日時を連絡し、納入業者の負担で、その従業員等を派遣するよう要請している。

これらの要請を受けた納入業者の多くは、ミスターマックスとの納入取引を継続して行う立場上、その要請に応じることを余儀なくされている。

例えば、平成15年度において、ミスターマックスは、15店舗において陳列等作業を行わせるため、納入業者に対し、その従業員等を派遣するよう要請しており、納入業者に延べ約1万8000人の従業員等を派遣させ、使用している。

第2法令の適用
前記第1の1及び2の事実によれば、ミスターマックスは、自己の取引上の地位が納入業者に対して優越していることを利用して、正常な商慣習に照らして不当に、納入業者に対し、自己のために金銭を提供させているものであり、これは、不公正な取引方法(昭和57年公正取引委員会告示第15号)の第14項第2号に該当し、また、前記第1の1、3及び4の事実によれば、ミスターマックスは、百貨店業における特定の不公正な取引方法(昭和29年公正取引委員会告示第7号。

以下「百貨店特殊指定」という。)の備考第1項に規定する「百貨店業者」に該当するところ、その取引上の地位が自己に対して劣っている納入業者に対し、百貨店特殊指定の第1項各号に掲げる場合に該当しないにもかかわらず商品を返品し、百貨店特殊指定の第6項ただし書に規定する場合に該当しないにもかかわらず自己の販売業務のためにその従業員等を派遣させて使用しているものであり、これは、百貨店特殊指定の第1項及び第6項に該当し、いずれも独占禁止法第19条の規定に違反するものである。

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