BASF(本社:ドイツルートヴィッヒスハーフェン)は今後2年間でアジア・パシフィック地域におけるエンジニアリング・プラスチックのコンパウンディング能力を大きく拡張する。
中国・上海の浦東(プートン)では、BASFの既存生産拠点に新規のコンパウンディング工場を建設し、建設工事はことし第1・四半期中に着手する。この工場の年産能力は約45,000トンで、操業開始は2006年末を予定している。
さらにマレーシアのパジル・グダンに、コンパウンディング設備の能力を拡張中で、これまでの年産能力30,000トンから45,000トンへ増強工事中で、ことし第2・四半期中に稼動を予定している。
浦東(プートン)での新規プラントを含めて総投資額は数千万ユーロに上るものと見込まれ、両プラントとも、ポリアミド樹脂(PA)のUltramidR (ウルトラミッド)およびPBT樹脂(ポリブチレン・テレフタレート)のUltradurR (ウルトラデュア)のコンパウンドを生産する。
上海およびマレーシアの両工場ともに、原料はマレーシアのクアンタンにあるBASFと東レの折半出資合弁会社から一部供給される予定で、この合弁会社の設立は2004年2月に発表されており、PBTのベース・レジンを年間60,000トン生産することになっている。建設工事は順調に進んでおり、本格生産の開始は2006年第1・四半期を見込んでいる。
今回発表の新設・増強によって、アジア地域におけるBASFのエンジニアリング・プラスチックのコンパウンディング能力は年100,000トンを超えることになり、BASFはアジア現地での最新設備による高品質エンプラ・コンパウンドをアジアの顧客に供給することが可能になる。
エンジニアリング・プラスチックは、主に自動車の生産や電気・電子産業に用いられ、用途の代表的なものとして、車のインテーク・マニホールド、オイルパン、ギア・コントロール部品、センサー、シリンダー・ヘッドカバー、エア・スプリング、冷却装置、さらにルーフ・フレームやレーザー成形可能な高度な電子機器。