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アビームコンサルティング/中国市場における自動車メーカーの部品調達を調査

2005年05月25日/未分類

アビームコンサルティング(株)は、中国市場における主要自動車メーカーの部品調達の現状と将来動向について調査を行った。

中国で乗用車を製造している主要自動車メーカーの購買担当者に対して、現在の部品調達の現状と今後の選定についてアンケート調査およびインタビューを実施し、30社(日系自動車メーカー9社・外資系自動車メーカー11社・中国系自動車メーカー10社)から有効回答を得た。

その結果、中国に進出している自動車メーカーは、今後、部品の調達を中国系部品メーカーに切り替えていく考えを持っていることが明らかになった。

自動車メーカーの国籍ごとに部品調達の状況を調査した結果、日系自動車メーカーの半数近くの9社中4社(44%)の外部購入比率が91%以上で、また過半数の9社中6社(67%)で、輸入部品の比率が30%以下であることが分かった。

但し、部品メーカーが原材料や部品を日本から輸入して、それを納品しているケースもあると考えられるので、実態としての輸入依存度はそれほど低くないと思われる。

外資系では、外部購入比率が70%以下、輸入比率が51%以上であると回答した企業はそれぞれ11社中3社(27%)あり、内製率の高さとともに輸入部品に頼っている状況が判明した。

日系部品メーカーは、「エンジン部品」「電子・電装部品」が有力自動車メーカーと部品メーカーを日系・外資系・中国系に分類し、各取引状況を調査した結果、「内装部品」「車体・外装部品」「用品・その他」に関しては、全系列(日系・外資系・中国系)の自動車メーカーで中国系部品メーカーからの調達割合が高いことが分かった。

特に「用品・その他」は、全系列の自動車メーカーのほぼ100%が、中国系部品メーカーから調達。日系自動車メーカーは、「エンジン部品」「電子・電装部品」については日系部品メーカーから調達している割合が高いものの、それ以外はすべて中国系部品メーカーから調達している割合の方が高くなっている。

自動車メーカーが部品メーカーを選定する際に重要視する項目を調査した結果、全系列とも「技術・開発力」と「品質管理基準資格」を重視していた。

日系自動車メーカーについて見ると、「製造拠点の立地・地域」「自社との資本関係」に関して外資系・中国系よりも重視している。外資系よりも遅れて中国に進出したため、日本から信頼のおける系列サプライヤーを連れていき、中国での生産体制を急いで構築しようとしたことが理由の一つと考えられる。

部品メーカー選定時の重要視項目について部品分野別に調べたところ、モジュール化や技術革新が進む部品分野と、原価削減や中国固有の設計が求められる部品分野とに二極化している。

前者は、エンジン部品、電子・電装部品、駆動・伝動・操縦部品、懸架・制動部品(以下グループ1)であり、後者は、用品等、内装部品、車体・外装部品(以下グループ2)。

日系自動車メーカーは、5年後にはグループ1、2とも、中国系部品メーカーからの調達割合を拡大させると回答している。

外資系・中国系も含め全系列の自動車メーカーが、すべての部品分野において中国系部品メーカーへの切り替えを進める方針を持っていることが明らかになった。

現地部品メーカーの育成に積極的に取り組み、そこからの購入比率を増やそうとしている日系自動車メーカーの方針は、部品メーカーにとっては厳しい状況を生み出している。

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