郵船航空サービス（株）の平成18年3月期中間決算短信（連結）の経営成績は下記のとおり。
世界の航空貨物市場では、欧米向けに自動車関連部品やデジタル家電製品の航空輸送需要が堅調に続く一方で、IT・デジタル関連品の在庫調整や半導体市況の回復の遅れにより、アジア向けの輸出航空貨物量は調整局面が続いた。
我が国における当業界の取扱実績は、日本発の航空輸出重量が621千トン（前年同期比5.5％減）、航空輸入は、通関件数が1,645千件（同2.7％増）となった。
同社は、新たに策定したグループ中期経営計画（YAS Global Challenge）に基づいて、グループ一丸となって経営目標にチャレンジした。
グループを挙げての積極的な販売努力とフューエルサーチャージの収受により、営業収益は77,230百万円（前年同期比11.7％増）と増収となった。
一方、原油価格の高騰によるコスト増やアジア向け輸出貨物の需要回復の遅れに対し、輸送効率の向上や販売費と一般管理費の抑制に努めた結果、営業利益は4,297百万円（同13.1％減）、経常利益は4,601百万円（同9.3％減）と、旺盛な貨物需要に支えられた前中間期比では減益となったものの、期初の予想は達成した。
これに法人税等を加減しました中間純利益は2,904百万円（同10.2％減）。
事業の種類別セグメントの業績
貨物運送事業
半導体、IT・デジタル関連品の日本発アジア向け輸出航空貨物が前中間期比減少した反面、欧米での自動車部品関連の荷動き旺盛で販売を順調に伸ばした。この結果、営業収益は74,597百万円（前年同期比11.1％増）、営業利益は3,847百万円（同13.7％減）。
旅行事業、その他事業（省略）
所在地別セグメントの業績
日本
貨物運送事業は、航空輸出は自動車関連部品が引き続き全般に堅調だったが、昨年は極めて強い需要のあったハイテク関連とIT・デジタル関連品の在庫調整の影響により、アジア向けを中心として荷動きが鈍化した。
航空輸入は、医療機器や生鮮品の取り扱いなどが堅調に推移し、また旅客事業は法人需要の堅調な回復により、順調な実績となった。
また、「グループ中期経営計画」の基本戦略に沿って、成田ロジスティクスセンターでTAPAのクラスAと医療機器製造業許可を取得し、輸送品質の向上やロジスティクス需要への対応を強化した。
一方、アジア向け航空貨物輸出需要の鈍化や原油高騰に起因する仕入航空運賃の上昇により、国内連結子会社を含めた営業収益は41,750百万円（前年同期比4.6％増）、営業利益は2,322百万円（同27.6％減）となった。
米州
自動車関連部品や航空機関連の航空輸入が引き続き堅調で、航空輸出も食品関連を中心に好調に推移した。また、海上貨物輸送やロジスティクス事業も順調に業容を拡大しており、営業収益は7,653百万円（同32.1％増）、営業利益は389百万円（同66.7％増）。1ドルあたりの円換算レートは、当中間期が110.62円、前年同期は108.43円。
欧州
航空輸出は自動車関連部品の取り扱いが堅調で、航空輸入は電子機器や医療機器を中心に順調に伸びたほか、海上貨物輸送も自動車部品や電子部品等の輸出入が堅調に推移した。営業収益は7,292百万円（前年同期比9.1％増）、営業利益は514百万円（同9.3％増）。1ユーロあたりの円換算レートは、当中間期が133.63円、前中間期は131.06円。
東アジア
航空輸出ではプリンタなどの事務機器や、デジタル関連機器が好調に増加したが、航空輸入ではデジタル関連部品の在庫調整の影響で、台湾・韓国を中心の取り扱いが低迷した。海上貨物輸送は、輸出入共に好調に推移した。営業収益は14,221百万円（前年同期比31.0％増）、営業利益は677百万円（同0.5％増）。
南アジア・オセアニア
航空輸出は自動車関連部品や域内物流の取り扱いが順調に推移し、航空輸入はデジタル家電製品の取り扱いが伸長した。一方、電子部品や半導体関連は低調な荷動きとなった。また、海上貨物輸送では、米国向けの自動車関連部品の輸出や、域内輸送による輸入が好調に推移した結果、営業収益は7,450百万円（前年同期比9.2％増）、営業利益は395百万円（同10.6％増）となった。
通期の見通し
営業収益は当初の通期予想を4.9％上回る162,000百万円、営業利益は9,500百万円、経常利益は9,850百万円とそれぞれ当初の予想を若干上回り、当期純利益は当初の通期予想を5.2％上回る6,050百万円を見込んでいる。
