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セブン&アイ/共同配送センター設置中、CSR報告書2005

2005年12月27日/未分類

(株)セブン&アイ・ホールディングスは、(株)セブン-イレブン・ジャパン、(株)イトーヨーカ堂、(株)デニーズジャパンをまとめた「CSR報告書2005」を発表した。

物流分野は、下記の取り組みを行った。

■配送車両にデジタル無線を搭載
セブン-イレブンでは、災害が発生したさい、被災地へ支援物資をスムーズにお届けするために、配送センターから店舗に商品を運ぶ配送車両に緊急用のデジタル無線を装備しているほか、交通網が寸断されてしまった場合に備え、必要な時にヘリコプターを出動させるという内容の契約を結んでいる。

セブン-イレブンでは、従来から地震などの大規模災害発生時に、配送用トラックを使って飲料や食料などの支援物資を被災地に届けてきた。そのさい、従来の車載アナログ無線では、被災地域全体をカバーする広域通信ができず、道路が寸断された箇所もあるなかで各車の現在地や配送状況を本部が把握・コントロールしづらい、という問題があった。

そこで2005年3月から車載無線のデジタル化を進め、2005年9月に全ての配送車両への搭載を完了。ドライバーに対して指示や誘導をすることでスムーズに支援物資を配送する体制を整えている。

2004年10月23日に発生した新潟中越地震によって、同地区にある店舗・工場が被害を受けたが、営業が困難となった一部の店舗を除き、多くの店舗が余震の続く厳しい状況下で営業を継続し、地域の方々に必需品を提供した。

■物流効率を向上させて環境負荷を低減。
セブン-イレブンは、創業以来「ドミナント(高密度多店舗出店)方式」で出店してきた。この方式は、一定エリア内に、各店舗の商圏を隣接させるかたちで集中的に出店する方法で、エリア内での知名度向上、お客様の来店頻度の増加、物流の効率化を実現するもの。

ドミナント方式では、一定エリア内に多くの店舗が存在しているので、エリア専用の工場や配送センターを設置してお客様ニーズにきめ細かくタイムリーに応えることができる。

また、複数の仕入先からの商品をいったん配送センターに集約した後、各店舗からの注文に応じて商品をトラックに混載し、一挙に配送する「共同配送システム」を構築できる。

こうした物流の効率化は、エネルギー使用量の削減につながり、環境負荷の低減にもつながっている。

■配送車両台数を大幅に削減した「共同配送システム」
創業当初のセブン-イレブンの物流は、「商品のメーカーが直接、各店舗に配送する」という、当時の一般的な商習慣に従ったものでした。

そのため、各店舗には1日に70台前後の配送車が訪れて、店舗運営を煩雑にし、周辺の交通や生活環境にも悪影響を及ぼしていた。

また、当時は1回あたりの発注単位・納品単位が大きかったため、各店舗では必要以上の在庫を抱える、在庫にできないデイリー商品などが扱いにくい、などの悩みがあった。

こうした問題を解消するために、セブン-イレブンは、さまざまな仕入先のさまざまな商品を共同配送センターに集約し、店舗別に商品を仕分けた上で、エリア内の各店舗へ配送する「共同配送システム」の構築に着手。

1980年に牛乳と米飯の共同配送を開始したのを皮切りに、1987年からは米飯を1日3便とする配送システムを確立。

さらに2000年11月からは、お菓子や雑貨、お酒、加工食品といった常温商品も一括して配送する方法へ変更し、積載効率の飛躍的な向上と配送台数の大幅な削減に成功した。

現在、最も効率的な共同配送が実施されている地域では、店舗を訪れる配送車両台数は1日平均8.9台にまで減っている。

■車輌の状態を管理し環境負荷の低い車両の導入
物流における環境負荷は、1店舗あたりの配送台数だけでなく、配送車両のコンディションや運行状況によっても左右される。

そこで、セブン-イレブンは配送業務の委託先と協力し、①使用年数6年以内、②走行距離50万km以内、③事前予防整備点検の毎月実施、という自主管理基準を作成。この基準に従って3,000台を越える全配送車両を管理している。

また、車両自体の環境負荷を低減させるために、天然ガス自動車(CNG車)の導入を委託先に要請している。

CNG車は、窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)の排出が少なく、硫黄酸化物(SOx)については全く排出しない。現在は、首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、山梨県)・関西圏(京都府、大阪府、兵庫県)を中心に導入が進み、2005年2月28日現在3,458台中164台がCNG車となっている。

■安全で効率的な運転をサポートする車載端末
車両1台1台の運行状況を管理・把握するために、セブン-イレブンは委託先の物流会社に依頼し、2001年から全配送車両に車載端末を搭載している。

この端末は配送距離や最高速度、アイドリングなどの運転状況をデータ化し、記録する機能をもっており、エネルギーの無駄や危険につながる行為だけでなく、ドライバーが意識していない急発進やスピード超過などのデータも記録し、運転の改善につなげてゆくというもの。

車載端末が記録したデータは「安全運転日報」として出力され、配送センターの責任者によるドライバーへの個別指導、配送距離・道路状況を考慮した最適なコース設定に活用されている。

車載端末の導入後、配送車両の燃費効率は年々高まりつつあり、2004年度は6.07km/リットル(2003年度比102.9%)と着実に改善が進んでいる。

■『エコ物流システム』構築し
セブン-イレブンは1994年に独自の『エコ物流システム』を構築、本部の一括管理による、店舗から出る廃棄物の適正処理・リサイクルを開始した。

このシステムで、お弁当などから発生する食品残さを堆肥や飼料にリサイクルし、原料産地に返すなど、循環型社会の実現に向けた「循環型チェーン」づくりに取り組んでいる。

セブン-イレブンの各店舗では、日々、販売期限切れ商品や配送用ダンボール、店頭のごみ箱に捨てられるごみなどの廃棄物が発生する。

1990年代前半まで、これらの廃棄物は加盟店が個々に地域の廃棄物処理業者と契約し、処理していた。

「廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)」では、排出者責任を明確にするために原則として事業者それぞれが廃棄物処理業者と直接契約することが義務づけられているから。

しかし、加盟店ごとに異なる業者に委託する方法には、各店が確実に廃棄物を適正処理できているか、リサイクルしているかを本部が管理しづらいという問題があった。

そこでセブン-イレブンは、関連行政機関に働きかけてチェーン全体で統一した廃棄物の処理・回収方法を確立するメリットをご理解いただき、1994年に独自の『エコ物流システム』を構築した。

このシステムは、セブン-イレブン本部が市町村ごとに指定した廃棄物処理業者が、地域内各店舗の廃棄物を一括して回収・処理するというもの。これによりチェーン全体での廃棄物の適正処理、リサイクルがしやすくなる。

現時点では、一部の市町村では処理業者による廃棄物の収集・運搬に関する許可制度が設けられていないことからエコ物流システムを運用していない地区もあるが、2004年度は新規出店が相次いでいる愛知地区を中心に新しく49市町村が加わり、運用地区は全国30都府県に拡がった。

このシステムを利用するか否かは、各加盟店オーナー様の判断に任せているが、多くの加盟店オーナーからの理解を得て、2005年2月28日現在、推奨地区の全加盟店8,607店のうち85.4%に
あたる7,352店がこのシステムを利用している。

■生鮮食品における物流の効率化
イトーヨーカドーは、衣食住のフロア別に商品を仕分け・一括梱包することで物流効率を高める『カテゴリーセンター化』を1997年から推進している。

また、商品の梱包には、何度も繰り返して使用できるプラスチック製のコンテナ『通い箱』を使用し、使い捨てダンボールの使用量の削減に取り組んでいる。

イトーヨーカドーは、生鮮食品に関する配送効率を高めるために、物流センターを分散化させ、店舗に近い場所に設置する『エリアセンター化』を推進。

全国規模で取引先の納品ルートの見直しや共同配送、地域物流網の整備などにも取り組みながら、共同配送センターを設置中。

また、2004年度から新しく冷凍食品の共同配送についても走行距離を記録・管理し、そのデータを加算した。

その結果、首都圏1拠点、地方4拠点(東北・信越・中京・関西)、計5つの共同配送センターと店舗までの総走行距離は3,777千kmに増加した。

今後は衣料・住居関連品についても『エリアセンター化』を進めていく計画。

■物流プロセスを効率化することで配送時のCO2排出量を削減
デニーズは1982年から共同配送および温度帯別配送を開始し、1日10台必要としていた配送について、冷蔵便・常温便は毎日1回に、冷凍便は週2~3回まで縮減した。

さらに近年は、店舗拡大が配送便増加につながらないよう、物流センターの整備統合や発注精度向上、冷蔵・常温品の混載納品などに取り組み、配送時のCO2排出量削減に努めている。

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