（株）キユーソー流通システムの平成18年11月期中間決算短信（連結）の経営成績は下記のとおり。
同社グループは、取引採算とスペース当りの売上拡大に注力したアセット型3ＰＬの提案営業を推し進め、専用物流を主として堅調に推移した。
一方、成長事業と位置づけたキユーソースルー便は、新規顧客獲得の拡大による物量獲得に注力した。なお、ＱＴＩＳは、キユーソー会会員以外へのサービス提供を開始する予定だったが、体制整備が遅延し、その開始に遅れがでている。
また、利益面は、燃料価格が上昇しコスト負担が増加する一方、前年度に発生した立上費用の縮小、荷役作業体制の見直しと車両運行の見直しなどのコスト削減および最適な運送や保管効率を目指した拠点の見直しを図った。
さらに、将来に向けた新しい取り組みとして、倉庫作業支援システム導入の拡大や小口品自動倉庫の導入にも着手した。
以上の結果、当中間連結会計期間の業績は、売上高664億83百万円と前年同期に比べ32億4百万円（5.1％増）の増収となり、営業利益14億32百万円と前年同期に比べ45百万円（3.3％増）、経常利益14億62百万円と前年同期に比べ50百万円（3.6％増）の増益になったが、中間期純利益は、拠点の整備で発生した既存建物の除却などの影響をうけ5億74百万円と前年同期に比べ44百万円（7.3％減）の減益になった。
事業の種類別セグメントの概況
倉庫事業
取引採算とスペース当りの売上拡大に注力した提案営業を展開し、共同配送を主体とした保管型の顧客獲得に努めた。また、保管場所集約と作業の効率を目指した拠点の見直しや、保管効率の引き上げや荷役作業の効率化などを推し進めコストの低減をはかった。
この結果、倉庫事業収益は、109億94百万円と前年同期に比べ2億58百万円（2.4％増）の増収、営業利益は2億22百万円と前年同期に比べ12百万円（5.7％増）の増益。
運送事業
共同物流や専用物流が伸長し営業収益は拡大した。一方、成長事業としたキユーソースルー便は新規顧客獲得のための営業活動に注力し、未だ増収幅は少ないものの、徐々に取引が拡大しつつある。
また、燃料価格上昇の影響はあったものの、車両コントロールの強化や配送拠点の再編で効率化をはかるとともに、デジタコを活用した燃費向上運転で燃料費削減をはかり燃料費上昇のコスト負担を吸収した。
この結果、運送事業収益は、491億53百万円と前年同期に比べ20億86百万円（4.4％増）の増収、営業利益は10億44百万円と前年同期に比べ25百万円（2.5％増）の増益。
その他事業
料の販売単価上昇と販売数量の増加で営業収益が拡大する一方、共同購買による仕入コストの低減に努めた。
この結果、その他事業収益は、63億35百万円と前年同期に比べ8億59百万円（15.7％増）の増収となり、営業利益は1億44百万円と前年同期に比べ7百万円（5.2％増）の増益。
通期の見通し
取引採算とスペース当りの売上拡大に注力したアセット型3ＰＬの提案営業の推進と、キユーソースルー便の売上拡大を加速し営業収益の拡大に努める。
また、利益面は、作業や運送の効率化を推し進めるとともに、倉庫作業支援システム導入の拡大や小口品自動倉庫の稼動で品質向上および作業の効率化をはかりコスト低減を推し進める。
通期の見通しは、新規顧客獲得および既存顧客の領域拡大は計画どおりに進捗しており、さらにキユーソースルー便の売上拡大で営業収益は1,341億円と前年同期比39億41百万円の増収を見込んでいる。
利益面は、効率を重視した拠点の再編や作業や運送の効率化によるコスト低減の寄与もあり、営業利益35億円と前年同期比3億99百万円増、経常利益34億円と前年同期比2億40百万円、当期純利益14億80百万円と前年同期比1億1百万円増とそれぞれ増益を見込んでいる。
なお、会社の対処すべき課題では、アセット型3ＰＬの提案営業の推進と、成長事業と位置づけたキユーソー便全国小口輸配送システムの売上拡大を加速し、営業収益の拡大に注力し、求貨求車情報システム（以下：ＱＴＩＳ）のキユーソー会会員以外へのサービス提供開始は、早期にスタートできるよう努める。
また、荷役作業体制の見直し、積載効率の向上や燃料使用量の削減、拠点の再編などのローコスト化を推し進め、コスト競争力を高めてまいります。さらに、将来に向けた新しい取り組みとして倉庫作業支援システム導入の拡大や小口品自動倉庫の設置を推進し、品質向上と作業の効率化をはかっていくとしている。
