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ワールド・ロジ/平成18年6月期決算短信(連結)

2006年08月21日/3PL・物流企業

ワールド・ロジ(株)の平成18年6月期決算短信(連結)の経営戦略と経営成績は、下記の通り。

中長期的な会社の経営戦略
同社は、物流を核とした流通のソリューションモデルをワンストップで提供する「流通・物流のプロデュース」をめざしており、今後のサプライチェーンマネジメントに必要な機能拡充ならびに継続的な成長による競争力の強化をはかってまいる。

①流通・物流側からの新サービスの提供
個人消費動向がインターネット等を媒体とした通信販売へ本格的にシフトしている現状を踏まえ、物
流・流通業界は、単なる「保管する」「運ぶ」という画一的なサービスから脱却し、生産地から消費者までをつなぐサプライチェーンマネジメントはもとより、カスタマーサービスなどのCRM機能、決済代行機能、接客機能など今までは物流に関係のないと考えられてきた「売り方」という概念など付帯する多様なニーズにも応えなければならない。

同社は、通販専用の物流センターを来夏に設立し、通販事業者特有の問題点やニーズに対して的確に対応できるセンター運営を行っている。このセンターは個人情報の保護やセキュリティの観点にも万全の対応を行うべく、各種情報セキュリティに関する認証を取得予定。

②流通ソリューション機能の整備
景気動向は回復傾向にあるものの、依然企業には「物流」や「ノンコア事業」に対するコストダウンやリストラニーズは非常に高く、同社も単なる物流コンサルティングではなく、企業全体の物流、資産、人員、資金調達などのコンサルティング業務へのニーズが高くなってきている。

3PLノウハウを駆使し顧客にとって最適なソリューションモデルを構築し、運営までできるよう多用なサービス提供を行っていく。

③M&A等による機能強化およびノウハウの蓄積
流通ソリューションをワンストップで提供できる企業であるためにM&Aや業務提携などによる必要機能の強化やノウハウの蓄積を行っている。本年度も(株)南王をはじめ計12社のM&A等を行った。それぞれが持つ企業ノウハウを当社に集約することにより、一層の3PLノウハウの蓄積とグループシナジーを創出している。

今後も同社グループは資本提携や業務提携などにより流通・物流ノウハウの蓄積、機能拡充を行い、顧客のニーズに100%応えることのできる流通ソリューションサービスを提供する。

会社の対処すべき課題
同社は、単なる「物流の請負会社」的な3PL業者としてではなく、真に顧客の求めるサービスとは何かを模索し、提供できる企業へと発展していく。

①管理体制の充実・強化
日次や月次での収益管理はもとより、新規事業やM&A案件に対するその収益機会や業績のトレースができるよう管理本部を中心とした内部管理体制の強化をはかる。また今後も行っていくM&Aや資本業務提携などによる積極的な経営を行うためには、対象会社を含めた内部管理体制の強化は不可欠と考えている。

そのような中、新会社法や今後施行されるであろうJ-SOX法対応を見据え、コンプライアンスを前提とした内部管理体制の更なる強化、内部統制システムの安定的運用を図り、より透明度の高い経営を行っていく。

②人材の確保と育成
顧客の多様なニーズに対応するため、流通・物流業界に精通している人材の育成は急務と考えている。また総合的なコンサルティングができる人材、システム開発者、3PLオペレーション従事者など設立当初より行っている新規学卒者の中よりOJTなどによる内部での育成や積極的な採用による人材確保に努めている。またそれを補完するため、成果主義人事制度の定着を図る。

③収益力の強化とグループ企業間シナジーの創出
M&A等による重複資産の整理や企業の再編を含めたリエンジニアリングを積極的に行い、企業の本来の収益力を見据えた上で、グループ企業間のシナジーを創出することにより、高い収益性を確保する。特に利益率の向上を当面の目標とし、付加価値の高い売上高のアップ、更なるコスト削減、費用削減を行っていく。

④物流品質の維持向上
昨今の原油高による運送会社の収益圧迫や多様化する顧客のニーズに対応できる物流業者の選定とコストコントロールが重要となる。子会社である(株)ジャパン・ネットワーク・ソリューションズは協力業者とともに最適な物流ネットワークの整備を行い、高品質でローコストな輸送手段の提供に努める。

経営成績
同社グループを取巻く環境は、業種、業態を越えた企業間競争の更なる激化や、人件費の上昇等依然として厳しい状況にあるが、企業体質のスリム化を進める企業からの物流を中心としたアウトソーシングニーズは引き続き強く、各事業とも堅調に推移した。

その結果、当連結会計年度における連結売上高は25,505百万円(前年同期比55.1%増)となった。
利益面は、事業収益は順調に推移したが、グループとして将来的な負担を軽減することを目的とし、重複する資産の除却、不採算事業の整理に伴う損失等を当連結会計年度において処分損失として計上した結果、営業利益は1,029百万円(25.8%増)、経常利益は942百万円(27.8%増)、当期純利益223百万円(42.4%減)となった。

事業セグメント別の業績
3PL事業
既存クライアントの取扱量は堅調に推移したが、新規クライアント受注に伴う、初期費用(立上コスト等)が発生したことにより、売上高7,916百万円(20.3%増)、営業利益444百万円(20.2%減)と。

人材アウトソーシング事業
企業の業績回復による需要拡大が続き、主要業務である派遣事業、軽作業請負事業ともに年間を通じ堅調に推移した。平成18年1月に当社連結子会社である(株)NAホールディングスが子会社化した(株)エデック、(有)トータル人事も収益に貢献した。また、引続き積極的な業務効率化と原価改善を行った結果、売上高5,064百万円(15.9%増)、営業利益584百万円(101.5%増)となった。

システムコンサルティング事業
同社グループが開発した物流センター管理システム、貨物追跡システムの販売が堅調に推移した。その結果、売上高708百万円(15.6%増)、営業利益631百万円(57.6%増)。

納品代行事業
平成17年8月に(株)南王、平成18年2月にアサヒ運輸(株)他2社を連結子会社化したことにより、納品代行事業が加わり大幅に業容が拡大した。一方で3PL事業との機能統合やリストラクチャリング計画を進め、その結果、売上高8,141百万円、営業利益109百万円となった。

金融事業
平成17年6月に設立した連結子会社である(株)WLパートナーズ、当連結会計年度より金融事業における不動産流動化を目的として設立した、有限責任中間法人VWLHOLDINGS他3社が新たに連結の範囲となった。その結果、売上高197百万円(56.8%増)、営業利益71百万円(26.9%減)。

リサイクル事業
平成18年3月に(株)リサイクル・アンド・イコールを連結子会社化したことにより、リサイクル事業が加わり業容が拡大した。その結果、当連結会計年度においては、売上高301百万円、営業利益39
百万円。

その他事業
売上高3,174百万円(33.2%減)、営業利益0百万円(99.8%減)。

次期の見通し
ことし7月に買収した(株)エム・アイ・ケーの業績、今期中に買収しましたアサヒ運輸(株)他の業績等が寄与することから、売上高は大幅に増加する見通し。

その他人材アウトソーシング事業、金融事業、リサイクル事業も順調に業績を伸ばしていくものと見込まれる。この結果、次期の連結売上高は37,000百万円(45.1%増)、連結経常利益1,200百万円(27.4%増)と、増収増益を予定している。

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