鴻池運輸(株)の100%子会社である鴻池メディカル(株)は、医療物流事業拡大のため新物流センターを開設を進めるとともに、医療物流専門の情報システムを開発する。
鴻池メディカルは、病院内物流の先駆者として、全国120病院において院内物流システムを稼動しているが、従来のノウハウを病院内から医療機器・医薬メーカー向けに積極的なサプライチェーン物流サービスに展開していく。
同社は院内物流事業ついて滅菌代行サービスを全国で160施設、院内物流システムを121施設、契約病床数73,082床で行っている。
従来の病院内では、病棟、外来、手術室、透析室、薬局、カルテ室などがそれぞれで保管、医療器材、医薬類の管理を行い、さらに医薬メーカー、診療材、消耗品、帳票類業者がそれぞれ納入しており、院内物流のシステム化が進んでいなかった。
同社では、各種機器、資材、薬品、一括管理による院内物流システムと滅菌工場の整備を進め、急速にシェアを広げている。
今回は、院内物流から各取引先であるメーカー(医薬、医療機器、資材、消耗品等)の範囲まで広げたサプライチェーンの効率か進めるため、物流センター整備と、システム開発に着手した。
新物流センター(東京都品川区)は、東神倉庫(株)が新設する物件を借り受け、貸出し機器の洗浄センター、病院向け滅菌工場、メーカー向け滅菌工場を整備する。
施設は、延床面積4,000坪(6階建、免振構造)で、6階に滅菌工場を配置(各種流通加工、メンテナンスに対応)し、中層階に物流センターを設け、平成18年11月竣工予定。(設備投資額3億円)
さらに、同様なセンターを大阪、札幌、福岡で、この1~2年での整備を予定している。
医療物流専用の情報システムの開発については、毎年変化する薬事法への対応など、より専門的で高度管理システムが必要であることから、医療物流に特化した専門的な物流システムを開発する。
システムは、改正薬事法に対応する高度なトレーサビリティー機能を標準装備し、病院や代理店からの注文をインターネットの画面から行えるようにする受注機能を標準装備するとともに、滅菌やメンテナンスなど履歴管理、ロット管理機能を標準装備する。
各メーカーなどで整備すると高額になるが、同社では(株)フレームワークスとの提携による開発で、1社あたり600万円程度のライセンス費用で提供する。(カスタマイズ費用は別途)
鴻池メディカルでは、年商30億円だが積極的な医療物流事業拡大策で年商100億円を見込んでいる。
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