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味の素/モーダルシフトでCO2削減推進

2006年10月10日/未分類

味の素(株)は、「味の素グループ環境報告書2006」を発行し、物流の環境負荷について国内の味の素グループは、「Environmentally Friendly Logistics」をスローガンに、グループ内にとどまらず、関係するあらゆるステークホルダーとともに、物流における環境負荷削減に取り組んでいる。

物流における味の素グループの最も重要な環境課題は、製品の輸送などの際に排出されるCO2の削減で、国内味の素グループでは、製品の製造工場から物流センター、また物流センターから販売先への輸送にあたり、約8割以上をグループ外の運送事業者に委託している。

このため、荷主として、環境に配慮した輸送手段を積極的に選択すること(モーダルシフト)によって、製品輸送にかかわるCO2排出の削減を推進している。

具体的には、CO2排出がトラック輸送の8分の1という鉄道コンテナ輸送の環境負荷の低さに着目し、1995年度から本格的に導入している。以来、モーダルシフト実施区間の拡大を、物流の環境対策の中心として位置づけている。

2002年度から2005年度にかけて、日本貨物鉄道(株)(JR貨物)の協力のもと、味の素(株)、味の素物流(株)、味の素冷凍食品(株)が参加する「環境物流研究会」を定期的に開催した。

研究会では、モーダルシフトの推進を中心に、物流において環境負荷を削減できるテーマを検討し、2004年8月には、長距離区間に加えて、トラック輸送が主流である中距離区間で、パレット8枚分積載可能な15フィートコンテナを導入するなど、モーダルシフト率を向上させることに成功した。

大型鉄道用コンテナまた、輸送の効率化を推進していく上では、企業間での連携が不可欠で、2005年7月からは、ハウス食品(株)との協力により、首都圏-関西間で大型鉄道用31フィートコンテナの共同運行を開始した。

これは、帰り便が空回送であったハウス食品(株)の六甲工場(神戸)から埼玉県蓮田市までの大型鉄道用コンテナを、味の素(株)の首都圏から関西への製品輸送に利用するという仕組み。

これにより、神戸→蓮田→川崎→西宮→神戸という無駄のない鉄道コンテナ輸送を実現している。このような共同運行には、荷受時刻や積込時刻を両社が調整する必要があり、メーカー同士が直接協力
しあった先進的な取り組みとなった。

この共同運行により、年間で253トン(対前年度0.6%削減)のCO2排出量削減効果が見込まれている。

こうしたさまざまなモーダルシフト推進の取り組みによって、国内製品輸送のモーダルシフト率、CO2排出量とCO2排出量原単位は、いずれも着実に改善させることができた。

2005年度の国内製品輸送によるモーダルシフト率は28.8%に達し、対前年度2.5ポイント向上した。CO2排出量とCO2排出量原単位はそれぞれ4.5%、4.3%低下している。

パレット積載効率向上への取り組み
商品輸配送時に、トラックの荷台やコンテナ内のスペースを無駄なく使用することは、不必要なトラック運行とこれによるCO2の発生を抑制することにつながる。

通常、商品の輸は、まず個別包装した一つひとつの商品を段ボール製の外箱(ケース)に詰め、その外箱単位でパレットに積み上げて、それをトラックやコンテナに積載する。このため、パレットに段ボール製外箱をいかに無駄な隙間なく上手に積み上げるか、すなわち「パレット積載効率」をいかに向上させるかがCO2削減のカギになる。

このため、保管料・入出庫料の体系を、ケースあたりから1パレットあたりの単価設定へと改めた。商品開発の際に「パレット積載効率」を追求してケースの形状を設計し、パレット積載ケース数を上げるようにすれば、保管料・入出庫料のケース単価が下がるという仕組み。

こうした仕組みの導入により、新規商品のみならず、既存商品でも「パレット積載効率」改善の取り組みが進んだ。

改正省エネ法による荷主の義務への対応
2006年4月に施行された改正省エネ法で、企業活動に伴う「輸配送」から生じる環境負荷の削減に取り組むことが、荷主に対しても義務付けられた。

これによって味の素グループも、これまで取り組んできた「モーダルシフト」や「在庫拠点集約」、「拠点間移動の積載率向上」に加え、荷主として、販売先に商品をお届けする「配送」における環境負荷低減についても配慮することが求められる。

味の素グループでは、荷主企業としての取り組みを進めるとともに、物流事業者や取引先との連携を図り、配送効率を高める取り組みを進める。

味の素物流グループの取り組み
味の素グループに属する物流会社である味の素物流グループ(味の素物流(株)と連結子会社7社)では、2005年4月より、ISO14001認証取得に向けて環境マネジメントシステム(EMS)の構築を開始し、2006年6月には味の素物流グループー括の認証を取得した。

この取り組みを通じて、現状を正確に把握し、改善に取り組むという、PDCAのサイクルに基づく環境活動の基盤を構築することができた。

まだ環境負荷削減のスタートラインに立ったばかりだが、今後もエコドライブの推進、産業廃棄物の削減などによる環境負荷の低減、改正省エネ法の荷主の義務への対応を中心に、物流会社としての環境負荷削減に継続的に取り組んでいく。

また荷主企業と連携して、環境配慮型の物流システムを構築することを目指す。

環境マネジメントシステムの構築
ISO14001の一括認証を取得して初年度となる2005年度は、「環境負荷を把握する」ことが主な環境経営の取り組みとなった。自分たちが毎日行っている業務がどのように環境とかかわっているのか、どのような環境負荷が考えられるのか、EMS構築活動を通じて従業員一人ひとりが考えた。

中でも、物流会社として最も環境負荷が大きいと考えられるCO2を中心とした環境負荷の低減、省資源・省エネルギーには、重点課題として積極的に取り組んだ。

2005年度の主な取り組み項目
1.PDCAサイクルを運用する仕組みを確立し、目標・課題を確実に達成する。
2.法規制遵守や地域への環境リスクを予防するしくみを確立する。
3.教育を通じて環境マインドを向上させ社会や地域との調和を図る。

また運送子会社では、先行して取得していた「グリーン経営」認証に基づく取り組みをもとにISO14001認証取得に取り組み、会社ごとに設定した燃費削減の数値目標達成に向けて努力する。

具体的には、低公害車や最新規制適合ディーゼル車の導入目標を設定することによってCO2や大気汚染物質の削減を図るほか、廃車や廃棄物を適正に管理する取り組みを行う。

デジタコ導入によるエコドライブの推進
ドライバー一人ひとりの取り組みを進めるために、デジタルタコグラフ(デジタコ)を導入し、エコドライブの推進を行っている。

デジタコを車両に搭載すると、どの程度エコドライブが実行できたかを点数デジタルタコグラフで評価することができる。

ドライバー自身が自分の運転について知ることで、自主的な改善が進むうえ、ドライバー一人ひとりの運転状況を把握することができるため、運転状況に合わせて効果的なアドバイスをすることができる。

さらに、アイドリングストップについては、運送子会社のドライバーが日常的に実施することはもちろんのこと、物流センターに入庫してきた社外車両のドライバーに対しても、協力をお願いしている。

配送委託先事業者への働きかけ
味の素物流グループの配送業務にかかわる数千台の車両の約8割以上は、グループ外の配送委託先事業者の車両。

このため、味の素グループがかかわる物流業務全体の環境配慮”を進めるためには、これら配送委託事業者への働きかけが重要。

味の素物流グループでは、配送委託先事業者にEMSを構築・運用していただくように働きかけることを環境行動計画のテーマとし、目標を定めて取り組んでいる。

具体的には、グループ子会社である運送会社がグリーン経営認証に取り組んだ際の経験を紹介するなどして、配送委託先事業者にも認証取得を勧めている。また、エコドライブ共同キャンペーンの開催などを通じて、配送委託先事業者への支援を行っている。

配送委託元事業者への協力
味の素物流グループは、委託を受けて荷を運ぶ配送事業者として、配送委託元事業者の環境負荷削減の取り組みに協力している。例えば、ハンバーガー・チェーンの「モスバーガー」を展開する(株)モスフードサービスが取り組む、食材配送と食品廃棄物リサイクルを組み合わせた環境配慮型の物流システム”の検討に、物流業務を担当する事業者として参加している。

商品保護用ラップのリサイクル推進
輸送中や保管中には、商品保護のために大量のラップを使用しています。使用済みラップは再生処理業者に依頼してリサイクルし、焼却処理を削減する取り組みを進めている。廃プラスチックの再資源化は現在、関東地区を中心に行っているが、今後、全国に展開していく予定です。

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