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生駒データ調べ/東京都の平均賃料9.2%下落、2007年上期の物流施設市況

2007年07月24日/調査・統計

(株)生駒データサービスシステムは7月23日、2007年上期の物流施設賃貸市況レポートを発表した。首都圏では東京都の中大型施設の平均賃料が2006年から9.2%下落し、坪単価5110円に。愛知圏も10.4%低下し、2930円。対照的に大阪圏では、大量供給があったものの、需給バランスは安定的で、0.3%アップの3920円となった。

首都圏の賃料動向は、東京都の平均募集賃料が前年比で9.2%減と落ち込む中、隣接県の埼玉県が前期比5.3%増、千葉県も同2.1%増となった。神奈川県はマイナス1.3%とほぼ横ばい。

東京都は日本で最も賃料が高いエリアだが、「大型にシフトする需要を受け入れる用地や物件がなくなっていること、周辺エリアとの交通利便性の高まり(道路インフラの改善)の影響で、東京都内の立地優位性が縮小していることが背景にあると考えられる」としている。

首都圏のマルチテナント型物流施設の空室率推移をみると、2007年上半期の新規供給は5棟で、2棟は満室稼働。

空室を抱えた新規供給物件の影響もあって、2007年3月は8.4%、6月は8.9%と上昇した。

既存物件では、テナントの入替えがありながらも一定の稼働率を維持していたことから、全般的な需給バランスとしては、安定的に推移しており、「新規供給物件が5棟もあったことを考慮すると、需要動向が堅調といえる」。

愛知の平均募集賃料(中大型)は坪2930円で、2006年から10.4%低下。2004年は2940円、2005年2900円であることから、ここ数年は3000円前後で推移している。

愛知県内では、好調な地域経済を背景に土地需要は根強いものの、コスト意識が高い地域性も影響し、実勢の賃料相場の変化はあまりみられない。物流施設の建設は内陸部を中心に活発化している面もあり、好景気を背景とした需要の顕在化は期待できる、としている。

大阪の募集賃料は前期比プラス0.3%で横ばい。大阪市から神戸市へと続く湾岸部では、不動産開発会社などによる物流施設の供給が活発だったが、潜在的な需要が喚起された側面もあり、順調に空室消化が進んだ。

しかし、現在も開発計画が数多くあることから「今後の需給バランスは緩和する可能性もあり、使い勝手の劣る物流施設では特に予断を許さない状況」としている。

同社では、関西圏での大型物流施設の供給動向を不動産開発会社などの公表資料を用いて調査した。

2004年からの供給推移をみると、2006年に供給量が大幅に増加し、延床面積ベースで45万㎡を超え、今後も2007年に43万㎡弱、2008年以降に51万㎡強と大量供給が控えている。

これらの物流施設の平均的な投資規模をみると、敷地面積ベースで3万㎡程度、延床面積ベースで8万㎡程度と、大型物件が主体で、複数企業が入居するマルチテナント型物流施設では投資規模がさらに大型化する傾向がみられるという。

関西圏のマルチテナント型物流施設の空室率推移をみると、2006年から2007年上半期にかけて大型供給が相次ぎ、需給バランスの緩和が懸念されていたが、6月時点で9.4%と前期比6.0%の低下となった。

大型物流施設の供給により、多様化する物流ニーズを顕在化させた面があり、現時点では空室消化が順調に進んでいる。当面は新規供給が相次ぎ、大幅な空室率の改善は期待できないが、需要動向としては比較的堅調としている。

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