LNEWSは、物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信しています。





物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信

矢野経済研究所/2007年ERP市場1,178億円、前年比13%増

2008年03月18日/調査・統計

矢野経済研究所は、ERP市場について国内ERPパッケージベンダー(23社)に市場調査を実施し、2010年までの市場動向の分析・予測を行い、成長スピードは減速するが、2010年には1,440億円に達する見通しと分析している。
2007年のERPパッケージサービス市場規模は1,178億円(エンドユーザ渡し価格ベース)で前年比13%増となり、2008年以降5~10%程度の成長を続け、2010年は1,440億円に達すると予測する。
しかし、ERP市場の成長は好況に支えられており、景気悪化に伴って2007年をピークに減速感が強まっており、Y2Kを契機にした10年前のERP導入ブームとは異なり、ベンダーにとっては一層厳しい競争環境となるとみている。
大企業向け市場は前年比15%増で好調ぶりが目立ち、SAPやオラクルの新製品戦略によってERPパッケージの適用範囲が広がり、大型案件が増加した。
また、中小企業向け市場は前年比13%増で2桁成長が続いており、中小企業でのERP導入比率は2~3割とみられ、オフコンなどレガシーシステムからの置換えが進んでいる。
製造業、特に自動車部品、産業機械、電機電子などは、BRICsのマーケット拡大などに後押しされ、活発な投資がみられるとともに、生産管理や販売管理などコア業務に直結したソリューションの導入が活発である。
なお、内部統制への関心は高く、業務の標準化や管理強化という観点でERPの認知が進んでおり、日本版SOX法(J-SOX法)に関しては、ユーザ企業の対応の遅れなどから現段階でERPの需要には結びついていないものの、2008年以降、J-SOX法適用後の評価フェーズで、改めてシステムの見直しや改善が起きることが期待されている。
技術面では、ERP市場をリードしているのはSOAで、大手ベンダーは相次いでSOAに基づいた新製品や新製品コンセプトを発表しており、SOAによって、最適な機能や他社製品を組合わせた柔軟なシステム構築が実現できるため、従来のERPパッケージとは異なるアプローチが可能になり、普及に向けて、技術面・営業面で顧客への浸透を図る段階であると予想している。
ただし、ERP市場においてもSaaSの注目度は高いが、ベンダーにとってはビジネス性、ユーザにとってはセキュリティが障害になっている。ベンダー側には、受注金額が小口化し採算上のメリットが少ないという懸念がある。
ユーザ側には、基幹情報を社外に置くことへの不安があるとみられ、2008年は、SAP、オラクル、富士通、日立など大手ベンダーのSaaSに対する取組が具体化し、ERPでのSaaS成功モデルが生まれてくるかどうか注目されるとしている。
資料体裁
資料名:「ERP市場の実態と戦略展望2007-2008」
発刊日:2008年2月25日、体裁:A4判:310頁
定価:157,500円(本体価格150,000円消費税7,500円)
矢野経済研究所
http://www.yano.co.jp/

関連記事

IT・機器に関する最新ニュース

最新ニュース