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川崎近海汽船/08年3月期、原材料輸送の需要拡大で好決算

2008年05月12日/決算

川崎近海汽船が5月9日に発表した2008年3月期連結決算は、売上高458億円(前期比16.7%増)、営業利益38億円(29.1%増)、経常利益35億円(26.4%増)、当期純利益22億円(71.2%増)となった。
近海事業は、不定期船部門で中国を中心としたアジア諸国の経済成長に後押しされ、原材料輸送量が引き続き増加傾向を示し、船腹需給の逼迫感により不定期船マーケットは高水準で推移。ロシア・中国積みを主とした日本向け石炭などのばら積み輸送では、旺盛な輸送需要を背景に高収益を享受するとともに、高騰した近海船市況のなかでスポット貨物の輸送にも積極的に取り組んだ。
定期船部門では、往航の香港・海峡地域向け鋼材輸送量が前年並みにとどまったものの、タイ向け鋼材輸送では自動車用鋼板などの堅調な荷動きを背景に輸送量を伸ばした。復航では、マレーシアからの合板輸送が07年の建築基準法改正に伴い国内需要が低迷、輸送量が大きく減少したが、代替として石膏・砂糖などのばら積み貨物輸送に積極的に取り組み、総輸送量は前年比横ばいで推移した。
内航事業は、不定期船部門で粗鋼生産量が過去最高水準となる中、07年10月に新造石灰石専用船”美津川丸”が竣工、同型船の”千津川丸”とともにフル稼働となり輸送量が増加。小型貨物船も効率配船により輸送量が増加した。
定期船部門では、紙専用船が荷主との長期契約で安定した輸送量を確保。一般雑貨輸送では、常陸那珂-苫小牧航路で07年10月以降、大型船”ほっかいどう丸”を代替投入したことにより、下期の輸送量が大幅に増加した。釧路-日立航路では、一昨年の新造大型船への代替を機に従来の生乳・農畜産品・水産品に加え、紙製品の輸送量を大きく伸ばした。北関東-北九州航路では、北九州向けが北海道から九州への中継貨物をはじめ、新規貨物獲得に積極的に取り組み輸送量が増加。北関東向けは住宅関連需要減少の影響により所期の目標値に及ばなかった。
フェリー事業は、八戸-苫小牧航路で期を通して自社4隻単独運航体制となったため、前年度に比べトラック・旅客輸送量は大幅に増加した。07年11月には宅配貨物・食品などの急送品の輸送ニーズに柔軟に応えるため、これまでより2時間早く八戸へ到着するようダイヤ改正を実施。東京-苫小牧航路では、燃料消費量節減を図るため、07年4月に高速船2隻による20時間航走から3隻28時間航走にサービスを変更し、10月には船腹を適船に入れ替えるなど運航コストの低減に努めた。輸送量は船腹スペースの減少などにより前年を下回った。

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