LNEWSは、物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信しています。





物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信

近鉄エクスプレス/08年3月期、アジア発着海上貨物が好調

2008年05月14日/決算

近鉄エクスプレスが5月13日に発表した2008年3月期連結決算は、売上高2923億円(前期比0.8%増)、営業利益138億円(11.7%増)、経常利益149億円(12.3%増)、最終利益91億円(20.6%増)となった。航空貨物の取扱い物量が減少した一方、海上貨物は旺盛な需要を背景に、アジア発着を中心に取扱いを伸ばした。
国内航空輸出貨物は、アジア向けの電子部品などに堅調な荷動きが見られたものの、北米向け自動車関連品の出荷の減少や大口貨物のスポット輸送が減少したこともあり、取扱い重量は前期比0.3%減とほぼ前期並みに止まった。
航空輸入貨物は、パソコンや通信機器関連品などの減少、一部貨物の海上輸送へのシフトが続き、取扱い件数は対前期比4.5%減。海上貨物輸出は、設備機械輸送や自動車関連品、化学品、リサイクル材、輸入では自動車関連品やアパレル関連品、建築資材などの荷動きが活発に見られ、輸出入ともに取扱いが増加。輸出容積で対前期比8.2%増、輸入件数で同9.3%増となった。
07年度は、国内販売拠点の整備・拡大を目的として高崎(群馬県)、小松(石川県)、沼津(静岡県)にそれぞれ営業所分室を開設、07年4月に福井貨物自動車と北陸地域での業務提携を実施した。また、7月には今後輸送需要の拡大が見込まれるロシア向け貨物輸送へ対応するため、ロシア鉄道の子会社であるトランスコンテナ社と日本における総代理店契約を締結した。12月には国際小口貨物輸送の販売を強化するため、日本通運、全日本空輸と3社で国際エクスプレス事業会社の設立に関する基本合意書を交換した。
米州の航空輸出貨物は、前期旺盛だった液晶関連品や半導体製造装置の出荷が減少し、取扱い重量で対前期比3.4%減。航空輸入貨物では、後半にアジア発貨物で活発な荷動きが見られたが、前半の薄型テレビの部材・自動車関連品の物量減が影響し、取扱い件数では対前期比2.7%減となった。
海上貨物では輸出入ともに前期を上回って推移し、輸出容積で対前期比4.4%増、輸入件数で同2.8%増。07年4月にはロジスティクス事業の拡大のためデトロイトの倉庫を拡張した。
欧州・アフリカの航空輸出貨物は、フランス発ボジョレーワインの出荷に伸びが見られず、前期旺盛だった英国発酒類の取扱いの減少もあり、取扱い重量は対前期比7.2%減。航空輸入貨物は、中・東欧向けに薄型テレビの部品・部材の出荷が好調に推移したものの、大手既存顧客の荷動きに減速が見られ、取扱い件数は対前期比6.3%減となった。
海上貨物は、輸出容積で対前期比15.7%減、輸入件数で同1.6%減。こうした中、07年11月にロシア法人が拡大する陸上輸送需要に対応するため、ロシア-フィンランド間で自社トラックによる輸送サービスを開始した。
東アジア・オセアニアの輸出航空貨物は、中国発のノートパソコンやデジタルカメラ、液晶テレビ部材などに活発な荷動きが見られ、取扱い重量は対前期比6.2%増。航空輸入貨物は、海上輸送への変更や競争激化による取扱いの減少もあり、取扱い件数は対前期比8.5%減となった。海上貨物は、液晶関連品や自動車関連品などの旺盛な需要を取り込み、輸出容積で対前期比16.1%増、輸入件数で同8.8%増となった。
強みとする中国市場では、航空・海上輸送、ロジスティクスの一体的な販売を強化するため、07年1月に呼和浩持(フフホト)、2月には蘭州、石家荘に、10月には連雲港にそれぞれ事務所を開設。また、拡大するロジスティクス需要に対応するため、7月に上海の外高橋保税区に業界最大級の倉庫を、同10月には北京近郊に中国国内貨物専用倉庫をそれぞれ開設した。
東南アジア・中近東の航空貨物は、中堅顧客の開拓が進んだものの、輸出入ともに大手既存顧客の出荷の減少により大きく減少。航空輸出重量は対前期比13.5%減、輸入件数も6.9%減となった。一方、海上貨物では特にアジア域内向けの輸出で活発な荷動きが見られ、輸出容積で対前期比14.7%増、輸入件数で同5.8%増。07年1月にはインド法人がコインバトールに営業所を開設、2月にはベトナムにロジスティクス専門会社を設立した。

関連記事

3PL・物流企業に関する最新ニュース

最新ニュース