兵機海運が5月15日発表した2009年3月期連結業績によると、売上高142億6200万円(前年同期比7.8%減)、営業利益1億1300万円(72.0%減)、経常利益2500万円(92.6%減)、当期損失9500万円(前期は1億9100万円の当期利益)となった。
下期より鋼材等の国内外の急激かつ大幅な物流量の減少、円高基調による輸出の減少、内需縮小による輸入の減少などにより年間取扱量436万4000t(67万9000t減86.5%)と減少。保有投資有価証券の減損処理などで当期損失9500万円を計上した。
海運事業をみると、内航海運では、燃料費高騰の影響があったものの、秋口までは鋼材をはじめとした当社内航事業の主要貨物全般について順調に推移。だが、第3四半期より鉄鋼業界の減産から鉄スクラップと鉄鋼製品の輸送量が激減するとともに、内需の冷え込みに合わせて内航事業貨物の全般について取扱量が236万1000t(51万1000t減)減少。売上高64億6900万円(7億8800万円減89.1%)、営業損失2700万円(営業利益1億7800万円)。
外航海運は、自社船団による効率運航の強みを発揮し期初より順調に推移。だが、昨秋以降の景気後退で輸送貨物が減少、近海運賃の下落や空船回航の費用増もあり、第3四半期から急激に厳しい状況に転じた。売上高15億1700万円(6100万円減96.1%)、営業利益8800万円(4900万円減64.2%)。
港運・倉庫事業をみると、港運事業については、北京オリンピック後の需要バランスの反動とともに、他の事業と同様に第3四半期を境にアジアの貿易経済が減退し、急激な円高による輸出の減少、内需の冷え込みから輸入量が縮小均衡した。売上高51億7100万円(3億6100万円減93.5%)、営業利益6600万円(3200万円減67.2%)。
倉庫事業は、港運事業に関係する輸出入貨物の取扱量に大きな減少が見られたものの、事業の基礎貨物のピッキング作業品や食品系の国内貨物については底堅い需要があった。売上高10億9400万円(0百万円減99.9%)。人的投入で営業損失1300万円(前営業損失700万円)となった。
次期の見通しは、港運・倉庫事業では、2010年春には新倉庫・社屋が完成する予定で、業績予想は、売上高125億円、営業利益2億6000万円、経常利益1億5000万円、当期利益9000万円。