バンテックは6月1日、ノジマが2007年3月12日に提訴した訴訟について、同日和解が成立したと発表した。
和解の内容はノジマが和解金2億8000万円を8月1日までにバンテックに支払い、両社は本訴と反訴の請求を放棄し、今回の訴訟で相互に権利義務が存在しないことを確認する。
ノジマは1997年4月21日付けで、バンテックに対し物流センターからノジマ店舗へ商品の出荷・配送業務を委託した。業務委託料は、物流センターを経由した商品のみが委託料算定根拠となっていたが、物流センターを経由しない商品も委託料算定根拠に算入されていたため、ノジマは過払い分の返金、保証金の返還、商品の返還をバンテックに求め提訴していた。
最終訴訟額は5億4300万円。これに対しバンテックは、未払い業務委託料と中途解約の違約金の支払いなどを求め反訴。こちらの訴訟額は総額4億9800万円だった。
提訴後、昨年4月30日に横浜地方裁判所よりノジマに対し、バンテックへの約4億6100万円と金利の支払いを命じる判決が下りたが、ノジマはこれを不服として東京高等裁判所に控訴。審理が続いていたもの。
今回の和解成立は、バンテックによると訴訟に係る経緯、現下の不透明かつ不安定な事業環境、また東京高等裁判所の趣意などを踏まえて和解することが最善の策と判断したためという。一方。ノジマは提訴後長期間が経過し、訴訟が継続された場合の訴訟費用などの負担と不確実性等を考慮した結果、和解勧告を受け入れ早期解決を図ることが合理的であると判断し和解に応じた。
なおノジマは、訴訟のため2008年3月期に訴訟損失6億8400万円を計上しており、和解に伴い取り崩し額3億7500万円の特別利益が発生する。
