スカパーJSATは6月3日、インド洋・アジア・オセアニア海域での初の民間商船向けブロードバンド回線の提供を行うため、海洋ブロードバンドサービスのローミング契約を米KVH Industories,Incと締結し、世界規模の船舶間通信を実現する民間商船向け海洋ブロードバンドサービスを開始すると発表した。
スカパーJSATは、現在稼働中の通信衛星JCSAT－1Bと2009年下期に打ち上げ予定のIntelsat15を用いて、ブロードバンド回線が不足していたインド洋・アジア・オセアニア海域での高速回線を提供する。伝送速度は約1Mbps（ベストエフォート）を実現し、従来の同海域での通信回線の約10～20倍の速度に達する。
また、太平洋、大西洋、カリブ海などの海域で船舶向け衛星通信サービスを提供しているKVHとローミング接続を行うことにより、世界的な主要海域間での高速通信が可能となる。船舶通信では従量制料金が一般的だったが、同サービスでは定額制の料金体系とする方針のため、船舶通信の費用削減が期待できるという。年内を目標にサービス開始に向けた準備を進めていく。
インド洋・アジア・オセアニア海域は世界中の船舶の約20％が航行する。サービス実現により、陸上並みの快適な通信環境でインターネットサービスを利用できるようになり、船舶と本社の間でさまざまなデータのやり取りが可能になる。
