日本郵船が10月27日に発表した2010年3月期第2四半期決算によると、売上高は7945億1900万円(前年同期比44.0%減)、営業損失370億6300万円(前期は1348億2900万円の営業利益)、経常損失439億1500万円(1398億3300万円の経常利益)、当期損失293億5300万円(912億7400万円の当期利益)となった。
事業別の状況は、定期船事業で船隊の合理化と夏期のピークシーズン開始で需給が改善し、運賃修復が進んだが、積高と同様に前期には及ばず、大幅減収となった。あらゆる費用の削減活動も継続したが、運賃の収入減を補うには至らず前期を下回った。
不定期専用船事業の自動車船部門では、新造船2隻を投入し3隻を解撤処分とした。また稼動船腹の規模縮小による船費削減と減速航海など運航費削減に努めたが、荷動きの回復が進まず、輸送台数は前期の約6割弱に減少した。
ドライバルク部門では、中国の鉄鉱石の港頭在庫増加や夏枯れの影響で市況が軟化し、高水準だった前期の業績との比較では大幅な減収減益となった。タンカー部門では、先進国などの原油需要の低下と船腹過剰により市況が低迷し、前期比で減収減益となった。
物流事業では、NYK Logistics 部門で事業運営の効率化と費用削減を進めた。アジア地域では荷動きの回復傾向が見られたが、その他の地域は低迷しており取扱量は減少。郵船航空サービスでも、先進国を中心に航空貨物輸送需要の減少が続き、前期実績を下回った。
ターミナル関連事業は、世界的なコンテナ貨物の荷動き低迷で国内外とも取扱量が激減。業績は前期を下回った。
客船事業は、国内の夏場のクルーズが前期並みと好調だったが、米国市場では経済低迷の影響で乗船率は前期を下回った。また広告宣伝費等の費用削減に努め、燃料油価格も下落したが、前期比で減収減益となった。
航空運送事業は、日本貨物航空が市況低迷の影響を受けた第1四半期と比べ、一定の需要回復による市況の改善が見られたが、運賃単価が比較的安定していた前期との比較では、赤字幅が拡大した。
通期は、コンテナ運賃の修復はほぼ想定通りに進んでいるが、燃料油価格の上昇による費用の増加や、コスト削減の取組が現在の目標達成に至らないことも予想している。
不定期専用船事業では、自動車輸送台数は増加傾向だが、中国の鉄鉱石輸入拡大や日本・欧州での減産緩和によるドライバルク市況の回復などが想定した水準に及ばなかったため、市況前提を修正した。
物流事業は、アジア地域を中心に荷動きが回復傾向にあるが、取扱量の本格的な回復にはまだ時間がかかる見通し。
引き続き船隊規模の適正化と業務効率化に努めるが、これらを踏まえ売上高1兆6800億円(30.9%減)、営業損失180億円、経常損失330億円、当期損失270億円に予測値を修正した。