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日本郵船/08年3月期、売上高・利益ともに過去最高更新

2008年04月28日/決算

日本郵船が4月25日に発表した2008年3月期連結決算は、売上高2兆5846億円(前期比19.4%増)、営業利益2020億円(92.6%増)、経常利益1984億円(84.6%増)、最終利益1141億円(75.5%増)と、売上高、利益ともに過去最高を記録した。
売上高は、コンテナ船の運賃修復が一定の成果を上げたこと、船隊規模拡大による取扱量の増加に加え、主としてドライバルク市況が未曾有の高水準で推移したことにより、定期船事業と不定期専用船事業を合わせた海運業部門で大幅増収となったほか、物流事業、ターミナル関連事業などの非海運業部門でも拡大した。
一方で燃料油価格の一段の高騰などコスト増要因はあったものの、効率的なオペレーションによるコスト削減に努めた結果、売上原価は15.6%増に留まり、営業利益は前期比971億円の大幅増益、売上高営業利益率も前期の4.8%から7.8%へと、3.0ポイント上昇した。
定期船各航路では、引き続き旺盛な荷動きのもと、新造船投入による船腹の拡大と積極的な営業活動により積高を伸ばして増収。一方、燃料油価格が一段と高騰するなど収益圧迫要因はあったものの、欧州航路を中心として一定の運賃修復を達成したこと、燃料消費量の削減などのコスト削減への取り組みや効率的な船腹の運航を実施したことにより、前期に比べて大幅な増益となった。
自動車船部門では、引き続き全世界的に荷動きが活況で、輸送台数は前期実績、所期目標をともに上回った。運航船腹量を上回る輸送需要が続くなか、効率的な配船と外部からの船腹調達を実施、竣工した新造船11隻を投入し、安定輸送の維持に努めた。
また、海上輸送を補完する自動車物流事業では、中国で自動車部品、完成車輸送事業、完成車ターミナル事業を展開する一方、欧州や東南アジアでも新たに完成車ターミナルを取得するなど積極的に事業を拡大している。
ドライバルク部門では、中国・インドなど新興国の高度経済成長により、鉄鉱石・石炭・穀物・鋼材・セメントなどのバルク貨物の海上荷動きが増大、さらに豪州諸港における船舶の滞船により船腹需給が逼迫し、ドライバルク市況は10月から11月にかけて史上最高値を記録した。
こうした歴史的な市況を背景に、前期実績を大幅に上回る業績をあげる一方、大型船を中心に国内外の顧客と新規の中期・長期契約締結を推進し、計画的な船舶投資による業容の拡大に努めた。
タンカー部門では、中国の堅調な原油輸入にもかかわらず、欧米各国の高水準の在庫やOPECの減産などにより荷動きが伸びず、原油タンカー市況は低迷したが、冬場の需要期を迎え急騰した後は高水準を維持。石油製品タンカー市況は、新造船の大量竣工と高水準な在庫
により荷動きが低迷し、年間を通じて低水準に推移した。原油タンカー、LPG船、LNG船などの長期契約船は引き続き順調に稼働し、タンカー部門全体としては、ほぼ前期並の実績となった。
物流事業のNYK Logistics部門では、主に自動車、製造業を中心とした物流ニーズに応え、特に東欧・アジア・中国の各現地法人ではオペレーションの効率化が定着、前期実績を上回る業績を達成した。新たに進出したロシア・インド・ベトナムなどでは、円滑にオペレーションが立ち上がり、新規顧客を獲得するなど業容の拡大が順調に進んでいる。
ターミナル関連事業は、国内外のターミナルが順調に稼働し取扱量を増やした結果、前期実績、所期目標を上回り、大幅な増収増益となった。また、北米西岸タコマ港のコンテナバース開発・借受け権の取得に加え、上海港大小洋山コンテナターミナルへの共同投資者に内定した。
航空運送事業を占める日本貨物航空は、運航管理・整備体制の自立化を期中に達成。同時に、経年機材を新鋭機材に順次入れ替えることによりコスト競争力の強化に努めたが、想定を上回る燃料油価格の上昇を受け、経年機材全機の退役を期末に前倒しして実施し、期末の運航規模は縮小した。売上高は前期を若干上回ったが、経年機材の修繕費の増加と燃料油価格の上昇を吸収することができず、赤字幅が拡大した。
次期の業績は、売上高2兆7000億円、営業利益2140億円、経常利益2100億円、当期純利益1400億円を予想。定期船部門では、堅調な荷動きを背景に運賃修復とコスト削減を推進し、ドライバルク部門、タンカー部門では、市況の軟化を想定しているものの船隊規模の拡大や契約更改による収益改善により、好調の維持を見込む。
物流事業は引き続き業務改善と業容の拡大により業績の伸長を目指し、日本貨物航空は、自立した運航管理・整備体制の下、新鋭機材で統一したコスト競争力のあるフリートの効率的な運航により、業績を大幅に改善する見通し。

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