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ヒマラヤ/新物流体制で年間1億円コスト削減

2009年12月17日/SCM・経営

ヒマラヤは12月17日、ジャスプロと新物流体制に関する基本的合意に達した。

物流センターの機能が保管型から通過型に変化したことに加え、物流量の増加に対応するため、マザーセンターのヒマラヤ物流センター(愛知・春日井市)と4か所のサテライトセンターを設置。従来の1物流拠点(岐阜・海津市)体制よりも高い処理能力と効率性をもった物流体制を構築する。

<従来の物流システム>
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<新物流システム>
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※マザーセンター:商品保管、仕分・発送機能を有したセンター
 サテライトセンター:ルート配送車を使い中継配送するためのセンター

2010年3月に本格稼動を開始し、2010年度(2011年8月期)では年間1億円のコスト削減と店舗作業の負荷軽減を図る。1億円の削減分の内訳は、サテライト設置による削減のほか、トータルコスト削減や使用面積に合わせた賃料削減などを含める。ヒマラヤ物流センター(4000坪)の業務開始は来年の3月1日となる。投資金額は1億1500万円に上る。

ジャスプロは、スポーツ用品業界の物流高度化とサービス向上を目指して、ことし4月にスポーツ用品製造卸のゼット、日立物流、佐川急便、物流コンサルティングのイー・ロジットの4社が合弁で設立した物流会社。

ジャスプロは、同社の中部物流センター内部に開設されるヒマラヤの新物流拠点に隣接した場所に、供給窓口の「中部SF」(2000坪)を立ち上げる。中部SFは、いわゆる門前倉庫と称する機能に近く、同社はサプライ(供給)のSとフロント(前方)のFの頭文字を取り「SF」とした。SFは売場へ機能的に供給する窓口を意味する。

ジャスプロは、中部SFを介して各スポーツ用品メーカーの物流委託先として物流一元化を図り、効率とサービスの向上を目指す考えだ。

国内メーカーや問屋からの商品を「中部SF」が受け入れたうえで、ヒマラヤ物流センターのマザーセンターに供給する。

ヒマラヤの現時点での物流システムでは、物流センターがマザーセンターとして機能し、ヒマラヤのPBメーカーや海外メーカーからDC(保管型センター)に商品が供給されるほか、国内メーカーや問屋からTC(通過型センター)とDCに商品が配送。

マザーセンターから、ヒマラヤの各店舗に商品が配送される仕組みだ。関西と中部にはルート配送、沖縄にはコンテナ配送、東北・関東・北陸・関西・中国・四国・九州には路線配送が用いられる。

新しい物流センターでは、ジャスプロが管理する愛知・春日井市の中部物流センター内に、ヒマラヤが4000坪のマザーセンター(DC、TC)を設置。隣接地にジャスプロの中部SFが位置する。マザーセンターに集められた商品は、ヒマラヤの4か所のサテライトセンター(埼玉・入間郡、千葉市、摂津市、北九州市)を通じて、ルート配送で関東・関西・九州に配送する。

マザーセンターが位置する中部地方には同センターから直接ルート配送する。サテライトセンターに納入する比率は60%に達する見通しだ。沖縄にはコンテナ配送を利用するほか、東北・北陸・中国・四国には路線配送を使う。関東・関西・九州の一部にも路線配送を利用する。

ヒマラヤの現在の物流センター(岐阜・海津市)は2000年の開設。開設当初の取扱商品のうちほぼ100%が保管型商品だった。その後の市場の変化から通過型商品が増大。前期では保管型商品10%に対して、通過型商品90%となった。同社の物流センターの機能は保管型倉庫から通過型倉庫へと変化。物流量についても企業規模拡大にともない増加し、将来的に増大する傾向にある。

ヒマラヤにとっては、物流センターの処理能力の向上と物流センター荷受先である店舗に加え、取引先も含めた高効率化が課題となっていた。新物流センターの開設を含めた新しい物流体制の構築を企画していたところ、ジャスプロと事業の方向性が一致し、協力関係を結ぶことで高度な物流体制が構築できると判断した。

保管型商品はPB商品や直輸入商品で各メーカーからDC(保管型センター)に直接供給される。通過型商品は、野球やサッカー、テニスなどの一般スポーツ用品で、国内メーカーや卸からDC(保管型センター)とTC(通過型センター)に供給されるもの。

物流センター所在予定地
マザーセンター
名称: ヒマラヤ物流センター
場所:愛知県春日井市上田楽(かみたらが)町2211 JASPLO 中部物流センター内

サテライトセンター(2010年3月稼動予定)
関東埼玉サテライト:埼玉県入間郡三芳町
関東千葉サテライト:千葉県千葉市
関西サテライト:大阪府摂津市
北九州サテライト:北九州市小倉区

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