内村と大日本印刷は1月13日、ICタグを使い飛行機、自動車、船舶など輸送機械などのボルトやナットの弛みを検知する「ICボルトシステム」を開発したと発表した。
このシステムは輸送機械のほか、産業機械など各種設備機器のボルトやナットの弛みを確実に把握でき、安全性向上に貢献するもの。予定価格は特殊センサー500個、リーダーライター1式、携帯情報端末1台で構成される1式が480万円から。両社は輸送機器市場などに販売し、2010年度に約2億円の売上を目指す。
このシステムは、ボルトに取り付けたIC内蔵の特殊センサーにリーダーを当てて点検し、ボルト・ナットの弛みの有無を検出。携帯情報端末に表示する。同時に点検履歴を更新、記録し、整備作業者に管理情報を提供する。無線ネットワークを利用すれば、自動的に点検が行え、遠隔地からのリアルタイム監視や、弛みが発生した場合の各種警報を表示する。
特殊センサーは、機器本体に接着される下部リングと、ボルトやナットとともに回転する上部リングで構成。2枚のリングにICタグが埋め込まれ、下部リングはボルトで締め付けられる機器本体に固定され、上部リングはボルトと一体的に取り付けられる。
上部リングの裏側にはアルミ箔が貼られており、上部リングが回転することで下部リングに内蔵したICタグがアルミ箔で隠され、リーダーとの交信を遮断する。
下部リングのICタグが交信可能であれば弛みはなく、交信不能の場合弛みが生じていると判定し、警報として管理者に通知する。