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新刊紹介/「物流業界大研究」

2010年04月08日/未分類

著者は物流業界の動向を「地味だが重要で注目度が上がっている」業界とし、まだまだ世間の知らない顔を持つ物流業界の実態を同書で示している。

■物流業界大研究
http://www.sangakusya.net/bkdb/bksearch2.cgi?k=3271-3

第1章ではそんな物流業界の基礎知識を詳しく述べ、小売業に分類される通販が12.39%、コンビニエンスストアが9.96%(2007年度)と、特に物流コストが高い点を指摘。逆に、総合商社や百貨店は比率が余り高くないとしている。

第2章では、トラック、鉄道、海運など輸送機関別の貨物輸送量と各輸送機関の動向などを紹介。トラックは1台で15トン程度しか運べないが、荷傷みが少なく発着時刻を指定する自由度が高いこと、鉄道は一度に大量の貨物を輸送できるが発着地でトラックへの積み替えが必要なこと、船舶も大量輸送が可能だが港から着地までは自動車輸送が必要なことなど、各輸送機関の長所・短所も解説している。

中でも2007年度の輸送量が4億970万トンだった内航海運業界を、2008年3月期にトンキロベースで産業基礎物資全体の8割の輸送を請け負うなどのデータを挙げ、「国内輸送の中核的存在」と位置づけている。

第4章では、物流業界の最新動向を詳述。宅配便などの小口貨物の分野で起きているヤマト運輸と郵便事業会社などとの激化する競争の実態、SCMと密接に関連する3PLの拡大と注目度の高まりなどを解説。

この中で3PL分野は、米国では物流業界全体のうち6~7割が3PLの受注であるのに対し、日本ではまだ1~2割にとどまっていること、国内の3PLがセカンドパーティーの物流事業者による部分が多いことが影響していることなどから、「市場の実態があいまい」と指摘。一方で、荷主企業の物流コスト削減の動きなどから、3PL事業の市場は拡大していると見ている。

第5章では、物流企業の代表的な企業の概要を解説。日本通運、ヤマトホールディングスなどの最新の売上高、営業利益の推移などをグラフで示し、日本通運、ヤマトホールディングス、SGホールディングスはグループ企業の構成も紹介している。

第6章ではそれらの物流企業の現場の声を紹介し、巻末には主要物流企業38社の本社所在地、事業内容などの企業データを掲載しているため、物流業界全体の把握だけでなく、物流業界への就職を志向する学生にも向いた一冊となっている。

産学社刊
二宮護著
定価1470円(税込み)

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