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三菱倉庫/富士物流を公開買付け、総額104億円

2010年07月30日/SCM・経営

三菱倉庫は7月30日、富士物流の株式に対する公開買付開始を決めた。

買付価格は1株450円で、買付予定の株式数が23,142,148株の場合、買付総額は104億1396万6600円となる。買付期間は8月2日から9月15 日(水曜日)まで、公開買付代理人は三菱UFJモルガン・スタンレー証券。

三菱倉庫は、ことし2月、富士物流の主要株主である富士電機ホールディングスと豊田自動織機から両社が保有する対象者株式の買付者としての対象者の新たなパートナーを検討する旨の打診を受け、検討を進めていたもの。

検討の結果、三菱倉庫は両社の物流事業に関する考え方が、「お客様の目線から物流の全体最適化を支援するパートナー」「グローバル化に対応した、国内外一体のロジスティクスサービスプロバイダー」を目指すという点で一致し、グループの重要な一員として迎え入れることが、両社の企業価値の向上になるものと判断した。

具体的効果として、両社国内外拠点の共有化や輸配送機能の相互活用を含め、両社の補完関係は高く、収益拡大と効率化・コスト改善の双方の観点から、大きなシナジー効果が期待されている。

さらに、港頭地区に立地する国内物流拠点や欧米、中国その他アジア諸国に展開する海外拠点と国際物流ノウハウの提供や、富士物流が国内各地に保有する緊急パーツ配送網やコールセンター、ITドライバーなどによる付加価値配送サービスの活用による、業務領域が拡大できる。

三菱倉庫の医薬品、食料・飲料、資材等の取扱いノウハウと、富士物流の電機・電子機器、精密機器、半導体等の取扱いノウハウの共有による提案力・販売力の強化できる。

また、両社の保有する物流施設・設備の共有化による、借庫利用の削減と自社施設の稼働率向上や相互に構築している輸配送網の有機的連携による、輸配送コストの削減と顧客利便性の向上と環境負荷の軽減など幅広いシナジーが期待できる。

富士物流は、富士電機ホールディングスグループの物流部門を分離集約して1975年に設立以来「製販一貫物流」のコンセプトで、総合的な物流サービスの提供に取り組んできた。

2004年3月には、豊田自動織機も含めた三社による資本提携・業務提携契約を締結し、豊田自動織機が総株主の議決権の約27%相当を富士電機ホールディングスから譲り受け、第2位株主となっていた。

なお、公開買付け成立後の良好な取引関係を維持・発展させるため、三菱倉庫、富士電機ホールディングス、富士物流は7月30日付で業務委託に関する三社間基本契約書を締結している。

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