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大日本印刷、イフコ・ジャパン/ICタグでレンタルコンテナを一元管理

2010年09月10日/IT・機器

レンタルコンテナ最大手のイフコ・ジャパンと大日本印刷(DNP)は9月10日、折畳み式のレンタルコンテナに独自に開発したICタグを装着して、レンタルコンテナと搬送される青果物の情報を一元管理するシステムを構築したと発表した。

システムは、農林水産省が推進する新技術活用ビジネスモデル実証・普及事業に基づき、同省の助成を受けて開発を進めていた。実証実験では、イフコ・ジャパンが農協などの集出荷業者と青果物の加工業者にICタグのリーダライタ一式をそれぞれ貸与して、流通過程でのレンタルコンテナの適切な出荷・回収の運営の検証を実施した。

現在、青果物の多くは段ボールで搬送されおり、段ボールは組み立てに手間がかかるだけでなく、積載時の潰れや雨による強度劣化などによって青果物の品質が損なわれる場合がある。繰り返しリユースできるプラスチックコンテナと違い、段ボールは使用後に廃棄され、焼却によるCO2発生など環境の面でも課題がある。そのため、近年、青果物の流通にリユース可能なプラスチック製のレンタルコンテナを利用するケースが増えてきている。

一方、レンタルコンテナは、その流通過程で正規にレンタルコンテナ会社に返却されずに在庫不足が発生するなど、レンタルコンテナの迅速な回収など適切な管理が求められていた。

こうした課題に対応するため、イフコ・ジャパンとDNPは共同で、UHF帯ICタグを折畳み式のレンタルコンテナに装着してコンテナの貸出・返却・在庫状況を可視化するとともに、コンテナで搬送される青果物のトレーサビリティ情報(生産者、品種、等級、重量、受入時間など)をコンテナ単位で一元管理できるシステムを構築した。また、青果物の商品情報やコンテナの出荷・回収情報についてはDNPが運営するデータセンターで管理する。

折畳み式のレンタルコンテナに装着する1枚のUHF帯ICタグのユニークIDを活用し、2つのシステムを構築することで、コンテナと搬送される青果物のトレーサビリティ情報の一元管理を実現した。

コンテナ管理システムでは、個々のコンテナの貸出・返却・在庫状況のほか、洗浄履歴などを管理し、コンテナの出荷・回収業務の効率化を実現した。課題となっていたレンタルコンテナの在庫管理については、いつ、どこに、どれだけレンタルコンテナが配送されたかという情報を関係者間で共有することにより、迅速な回収を促進する。

青果物入出荷管理システムにおいては、コンテナで搬送する青果物の商品情報をリアルタイムで把握し、生産者、品種、等級、重量、受入時間など迅速なトレーサビリティを実現する。

DNPが今回開発したICタグは、風雨や冷温・高温など、どのような気象条件にも対応した、すぐれた耐久性や防水性、落下や振動に対する耐性を有しており、折り畳まれたコンテナをパレットに積み上げた状態で、イフコ・ジャパンの貸出単位である275枚の一括読取を実現した。

今回の実証実験では、外食産業向け加工業者にルートを限定しており、今後は量販店向け等にも拡大するとともに、システムの本格運用に向けて、イフコ・ジャパンで扱うすべてのレンタルコンテナに順次ICタグを導入していく予定だ。

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