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アジルアソシエイツ/調達・購買部門診断調査のレポート

2010年09月27日/調査・統計

アジルアソシエイツが発表した国内企業を対象に実施した「調達・購買部門診断調査」の結果レポートによると、「人材」は5項目すべてが標準レベルの3.0点を下回っており、もっとも課題が残された軸となった。

調査は、国内企業における調達・購買業務の現状レベルについて診断し、その傾向や課題を探ることを目的として実施しており、「戦略・方針」「役割・体制」「プロセス」「情報基盤・情報活用」「人材」「サプライヤマ
ネジメント」「開発購買・原価企画」「コスト削減活動」の計8軸・57項目について64社が回答。各企業の推進レベルを5点満点でスコア化し、集計・分析を行った。

全体平均を見ると、「開発購買・原価企画」軸(2.53点)と「人材」軸(2.63点)のスコアが低かった。とくに「人材」はもっとも課題が残された軸となった。項目別では、交渉に関するプロセス(1.7点)、人材の意識(1.9点)、コスト削減活動におけるコストドライバー分析の活用(1.7点)の3項目についてスコアの低さが目立った。人材面での意識改革、交渉プロセスにおける属人化からの脱却、あるべきコストを見極めるためのコスト分析手法の確立、開発購買・原価企画の推進などに、改革の余地があると同社は見ている。

各企業の診断結果は、大きく6つのパターンに分類することができる。「人材」軸のスコアのみが標準を上回っており、個人のスキルに依存した属人的な業務状況にあると見られる「パターン1」(12.5%)、「プロセス」や
「情報基盤・情報活用」といった仕組みに関するスコアが目立って高く、その他の軸は標準を下回っている「パターン2」(31.3%)、全般的にスコアが高いが、「人材」軸のみが課題として残されている「パターン3」(15.6%)、おおむねすべての項目で平均スコアを上回っており、バランスがとれている「パターン4」(12.5%)、他軸と比較して「戦略・方針」のスコアが目立って低い「パターン5」(4.7%)、以上5パターンのいずれにも該当しない「パターン6」(23.4%)だ。

これらのパターンは、調達・購買部門の進化の度合いと対応しており、「仕組み」で回している「パターン2」の企業の割合がもっとも高いところを見ると、現状の調達・購買部門の多くは、属人的な業務から一歩進んで、仕組みつくりや定着化に取り組んでいる段階にあると推測できる。

パターン分類のうち、バランスがとれている「パターン4」(バランス型)は、現状の国内企業の調達・購買部門におけるベストプラクティスともいえる。このパターンは売上規模の大きい大手企業の比率が高い。これは調達・購買業務の推進度で超大手企業は先進性が高い傾向にあるということにつながる。

今回の調査は、アジルアソシエイツが独自に開発した、「調達・購買部門診断ツール」を用いて実施した。このツールは、「戦略・方針」「役割・体制」など全8軸・57項目について、5段階(項目により3段階)のレベルの中から自社の状況に最も近いものを企業に選択回答してもらい、その結果を集計・スコア化する仕組み。

個別企業の調達・購買部門における強み・弱みが可視化されるだけでなく、複数企業の診断結果を俯瞰して見ることで、業種や売上規模といった属性ごとの特性、日本企業の調達・購買部門全体が抱える課題などを推し量ることができる。また、同一の診断を定期的に実施することで、課題に対する改善状況の推移を追うことが可能となる。

回答した企業には、診断結果と業務改善へのアドバイスを記載した、個別の「調達・購買部門診断レポート」を発行している。

問い合わせ
アジルアソシエイツ
担当:櫻井
TEL03-5545-3203
info-ag@agile-associates.com

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