IDC Japanは3月10日、国内産業分野別IT市場の予測を発表した。それによると、「運輸／運輸サービス」などの業種では、業務効率化や情報基盤整備の推進によって、2009年のIT投資はプラス成長を予測している。
2009年の国内IT市場規模は12兆3788億円（前年比1.7％減）と予測。同市場の前年比率がマイナスに転じるのは、2003年以来6年ぶり。これまで国内のIT投資を牽引してきた、「銀行」、「組立製造」、「通信／メディア」業界でのIT投資が著しく減少したのが影響した。
さらに、「運輸／運輸サービス」や「一般サービス／その他」業界について、2009年初頭を底とし2010年にかけてV字的な回復を予測し、国内IT市場全体に関しても、2010年にかけて同様の回復傾向を示すものと予想している。
今回の調査は、2008年11月発表分を見直したもので、2008年7～9月までの実績に加え、2008年12月までの経済状況を加味して分析している。2009年5月の発表を予定していたが、急減速する経済環境下のIT投資の変化を短い周期で捉える必要性を考慮して、今回の見直しを実施した。
同社は、「今後一層のIT投資見直しが増える」と予測。IT投資が期待できる産業に向けて商品やソリューションなどをITベンダーが早急に再構築し、競合他社に先駆けて行動する必要性を説いている。
