丸全昭和運輸(株)の平成17年3月期決算短信(連結)の経営成績は下記のとおり。
「攻めの営業」に徹した「第2次中期経営計画」の2年度に当たり、グループの全従業員が新規業務獲得のために総力を結集した結果として、非鉄金属の輸入および国内輸送の一括元請業務、アパレル製品の輸入業務、石油化学製品の保管・輸送業務、食料塩の輸入・保管・包装業務、中国向け大型プラント輸出業務、船舶用塗料の輸入・保管・輸送業務などの新規業務を獲得した。
さらに物流の一括元請業務である3PL業務を拡大・強化するために前年から引き続き、より高度な情報システムの構築に取り組み、平成16年12月より新システムが順次稼働している。
環境への対応は、平成16年3月に本社と輸出梱包センターにおけるISO14001の認証取得に引き続き、平成17年3月には京浜支店、鹿島支店、平塚倉庫、成田倉庫、東京事務所で新たに認証を取得し、そのほかグループ内では丸十運輸倉庫(株)がグリーン経営の認証登録した。
なお、平成16年度において連結子会社に丸全京葉物流(株)、(株)スマイルラインの2社を加えた。
当期の主要な設備投資は、倉庫および諸施設の新設や既存施設の改善・増強ならびに輸送力拡大・環境対応のための車両・機械への投資や3PL業務対応のための高度情報システム構築などへの投資を行った。
そのうち当期中に完成した主要な設備は3PL業務システム(一部継続中)、茨城県鹿島地区の南海浜第3期倉庫増設、兵庫県播磨地区危険物倉庫新設、マルゼン・オブ・アメリカインコーポレイテッド倉庫改造などである。
セグメント別の営業状況
物流事業
貨物自動車運送事業は、大型事務所移転の減少・既存荷主の値引きおよび取扱量の減少があったものの、京浜・関西地区において建設機械・プラント関係・非鉄金属・合成樹脂製品の輸送、また、新規連結子会社が取扱う生活雑貨の輸送業務が増加した。
港湾運送事業は、輸入では、鉄鋼・非鉄金属・寝具・アパレル関係の取扱いが増加し、輸出では、北米および欧州向けの建設機械やプラント関係・ODAに関連した業務が増加した。
倉庫業は、京浜・鹿島・関西地区において、自動車部品・精密機械・家電製品・食品・ゴム製品等の取扱いが増加した。
鉄道利用運送事業は、京浜地区において食品関係・政府米等の取扱いが減少した。
その他の物流付帯収入については、梱包および荷捌業収入は京浜地区で取扱量が減少したものの、海上運送事業・内航海運業および通関収入等が増加した。
その結果、売上高は前年同期比8.3%増収の68,230百万円、営業利益は荷主の値引き・原油価格の高騰による燃料価格の上昇や車両の減価償却費負担増もあり、前年同期比15.2%減益の1,902百万円となった。
構内作業及び機械荷役事業
構内作業は、京浜・鹿島地区において得意先の内製化にともなう作業量が減少した。機械荷役事業は、ゼネコンからの大型案件の減少があったものの、関西地区において既存荷主の業務量が増加した。
この結果、売上高は前年同期比3.0%減収の15,103百万円となったが、営業利益は前年同期比3.5%増益901百万円となった。
その他事業(省略)
以上の結果、当期の連結売上高は前年同期比6.5%増収の86,360百万円となり、連結営業利益は前年同期比7.2%減益の3,376百万円、連結経常利益は前年同期比2.7%減益の3,768百万円、連結当期純利益は前年同期比7.4%増益の2,187百万円。
次期の見通し
今後のわが国経済の見通しは、米国経済の拡大ペースが減速基調にあるうえに原油価格の高騰や原材料価格の上昇で企業収益を圧迫することが懸念されるため、厳しい環境が続くものと予想される。
運輸業界は、環境・安全面の規制強化や原油高騰によるトラック燃料価格の上昇などでコスト負担の増大が続くうえに、企業の物流費削減がますます強化されるなどの厳しい状況が続くものと予想されるが、同社グループは、「お客様第一主義をモットーに高品質なサービスの提供」の経営理念のもと、「第二次中期経営計画」の最終年度の対応として稼働を開始した3PL業務システムを活用し、新規業務獲得を経営の最重要課題と位置づけて「攻めの営業」に邁進する。
さらに、「収益力の改革」「コスト構造の改革」「人財・・の育成」「財務体質の強化」「企業文化の変革」などの戦略的諸施策の推進に全力を注いでいく。
このような課題への取り組みを継続することにより、目まぐるしく変化する企業環境に素早く対応できる柔軟で強靭な企業体質を構築し、企業価値の一層の向上に努め、お取引先より最良のロジスティクス・パートナーと評価されるべく努力を続ける。
次期の業績見通しは、連結売上高910億円、連結経常利益4,000百万円、連結当期純利益は2,450百万円を見込んでいる。