全日本空輸(ANA)は8月28日、ANAグループ運航乗務員(約2500名)全員にiPadを配布すると発表した。
2012年9月から、一部の運航乗務員(約300名)による3か月の運用検証を行い、2013年2月より運航乗務員がiPadを携行し、構造改革を推進していく。
運航マニュアルの電子化やコックピット等における情報活用の促進を図ることで、高品質なオペレーションの実現と運航に関わるコストの効率化を両立する構造改革を推進する。
運航乗務員が運航に関わる天候等の運航情報を入手できる場所が、従来までは限られていたが、iPadを活用することにより、最新の運航情報をいつでも・どこでも容易に入手できるようになる。
<飛行計画等にも利用>
これにより、顧客が機内にて安心・快適に過ごせるように、より揺れの少ない飛行ルートや高度の選定が容易になるとともに、定時性の向上にも寄与し、さらなる高品質なオペレーションを実現する。
将来的にはコックピットにおいて、エレクトロニック・フライト・バッグ(EFB)としてiPadを活用し、さらなる情報の効果的活用を進めていくことを目指す。
また、機内搭載マニュアルの電子化による機体重量削減や最新の旅客予約情報・搭載貨物情報に基づいた的確な飛行計画作成により無駄のない燃料搭載を実現していく。
<マニュアル管理にも利用>
さらに、ペーパーレス化による印刷費用の削減や年間数千ページにおよぶマニュアルの配布・管理を効率化。運航マニュアルを電子化にすることで、最新マニュアルの維持管理が容易となる。
いつでも・どこでも知識の習得が可能となるとともに、音声や動画を活用した訓練・教育教材を提供することで、より効果的な知識の習得を可能とし、運航乗務員個々の技倆維持・向上を図るとしている。