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国連WFP/ネパール地震の支援で物流のリーダーの役割担う

2015年04月30日/国際

国連WFP(World Food Programme)は4月29日、ネパール地震の発生を受け、緊急支援活動を立ち上げ、被害が深刻なゴルカ付近には、食糧を積んだトラックが急行していると発表した。

国連WFPは、食糧を必要としている140万人を対象に、今後3か月間、食糧支援を行う計画。活動にかかる費用は1億1650万米ドル(およそ約140億円)と見積もっている。

地震発生前からネパール国内に備蓄していた米を、29日にはゴルカで配り始める予定で、食糧を積んだ国連WFPのトラックがすでにゴルカに入っている。

しかし、道路状況が悪く地滑りも発生するため、被災地への道のりは困難。特にアクセスが難しい奥地の村には、ヘリコプターを飛ばして食糧を届ける予定。今後数日間の間に、バングラデシュやドバイから、栄養強化ビスケットなどの緊急支援用の食糧がネパールに着く予定だ。

また、国連WFPは、他団体の支援要員や救援物資の輸送をサポートしている。昨日は、マレーシアで国連WFPが運営する国連人道支援物資備蓄庫から、仮設病院や医療用品、支援要員が到着した。

国連WFPは食糧支援以外の活動も行っている。支援の世界で「物流のリーダー」の役割を担う国連WFPは、ネパールで支援活動を行うさまざまな支援団体に対して、救援物資の輸送をサポートする物流サービスを提供している。

最も被害が深刻な地域に、諸団体の支援要員や救援物資を運ぶため、近日中にヘリコプター2機の運用を始める方向。

また、国連WFPはカトマンズにあるトリブバン国際空港で、各方面からネパールに押し寄せる救援物資を受け入れ、被災地に向け適切に発送するための支援拠点を運営している。この物流拠点は、今回のような緊急事態に対応するため、ネパール政府と国連WFPが防災の一環として計画を進め、数年間の準備期間を経て、先月に完成したばかりだった。

さまざまな支援団体の活動を支えるための物流サポート業務や、旅客・貨物の航空サービス、情報通信サービスを今後3か月間行うため、国連WFPは3400万ドル(約41億円)を必要としている。

今回の地震で800万人が被災したと見られている。国連WFPが衛星画像と既存のデータを分析した初期調査では、重点地域でおよそ140万人々が緊急に食糧支援を必要としていると推定されている。国連WFPの5つのチームが11地域で、これらの結果を検証する現地調査を行っているという。

国連WFPの活動はすべて善意の寄付金でまかなわれていることから、併せて寄付金の呼びかけも行っている。

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