インフォアジャパンは8月28日、クラウドプラットフォームを強化する「InforCRM」を2016年度中に提供を開始すると発表した。
「InforCRM」は、組織の需要に合わせてオンプレミス(自社運用)とクラウドから柔軟に選択でき、クラウドでの提供はアマゾンウェブサービス(AWS)で展開する。
インフォアジャパンでは、クラウドアプリケーション群「InforCloudSuite」で、自動車業界・製造業・中小企業・ファッション業界・食品飲料業界向けの業界特化型のクラウドERP「ソリューションスイート」と、長い歴史を持つBaaNやBPCSといったオンプレミスのERPを最新版にバージョンアップしながら同時にクラウドERPへと移行する「InforUpgradeX」プログラムを、日本市場で提供してきた。
今回これらのクラウドERPに加え、顧客管理・マーケティングのアプリケーションを新たに提供開始することで、「InforCloudSuite」をより幅広い企業のニーズに応えられるよう拡張する。
インフォア米国本社では、2014年8月に米国のソフトウェア企業でCRMに強みを持っていたSaleslogix社を買収。クラウドソリューション企業のリーダーとしての地位を確立するため、クラウドCRMに積極的に投資を行ってきた。
「InforCRM」は現在までに、世界2500社以上のユーザーに使用され、新規導入の50%がクラウドベース。インフォアは今年3月に米IT系調査会社のNucleusResearchから、CRM分野での「リーダー」としてランク付けされている。
また、インフォアジャパンは、今後「InforWMS(倉庫管理システム)や「InforHCM(人材管理システム)もクラウド上で展開し、さらなるクラウドアプリケーション群の拡充を進める予定。なお、InforWMSは1~2か月後に発表予定とのことだ。
インフォアジャパンの尾羽沢功社長は「全社を挙げてインフォアはクラウドに特化していくと昨年発表した。クラウド推進に専任チームを発足し、AWSとのパートナーシップ、さらにValueEngineeringとしてチームを派遣してコンサルタント業務も強化した。
InforCloudSuiteのクラウドERPと標準で統合されるInforCRMを導入することで、顧客は総保有コストを大幅に削減し、企業の本来的な目標である売上改善やサービス向上に取り組むことが可能になる」と話した。
<インフォアのジョン・フレビンエグゼクティブ・バイスプレジデント>
インフォアのグローバルマニュファクチャリング部門のジョン・フレビンエグゼクティブ・バイスプレジデントはインフォアを世界初の業種特化型クラウド企業と位置づけ、「今後製造業を取り巻く環境の変化は今以上にスピードアップする。モノのインターネット(IoT)の進化により、情報を巧みに使える高度にアジャイル(素早い)なネットワークエンタープライズが特徴的となる」と述べた。
そのために、インフォアではサプライチェーンの物理的な側面と財務的な側面を組み合わせたユニークなソリューションを持つ「GTNexus」を買収した。この9月に買収が完了するとのことだ。
<インフォアのティム・モイランアジアパシフィックプレジデント>
また、インフォアのティム・モイランアジアパシフィックプレジデントは「インフォアにとって今は最もエキサイティングな時期を迎えている。業界・業種に特化し、クラウド化を進めることで、コスト削減だけではなく、オンプレミスでは得られないイノベーションを顧客は得ることになる」と説明した。