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ニトリHDの白井社長/ロボット倉庫導入のテーマは効率性と労働環境

2016年03月11日/物流施設

ニトリホールディングス(ニトリHD)とグループのホームロジスティクスは3月11日、川崎市の東扇島にあるホームロジスティクス通販配送センターで、国内初導入となった「AutoStore」(オートストア)を公開し、ニトリHDの白井俊之社長とホームロジスティクスの松浦社長がその導入の経緯を語った。

<オートストアの上部を動き回るロボット「2号機には鳥の絵」>
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<ニトリHDの白井社長>
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ホームロジスティクスの会長も兼ねるニトリHDの白井社長は導入の経緯を「ニトリグループの売り上げは今期も順調に伸びている。当社は家具等の大きなものを扱うだけに、全体に占める物流のウエイトは大きなものがある。ECサイトの伸びや、都市型店舗の展開などで、売上以上に物流の需要の伸びが大きくなっている。そうした中、物流業界では人手不足や車両不足が深刻な問題になっている。この状況は今後も変わらない。商品の安定供給やコストも推し量りながら今後の物流の仕組みを考えた結果、オートストアの導入となった。テーマは効率性と労働環境。効率性は当然として、労働環境は高齢の人でも、女性でも、力の弱い人でも楽に働ける環境だ。どのような人に働いてもらうのかは企業の思想だと思う。無駄な力を必要としない点がオートストア導入の大きなポイントとなった。物流は長いスパンで考え、システム化していくことが大切で、今後20年、30年、40年と最適な物流システムを構築していきたい」と話した。

<ホームロジスティクスの松浦社長>
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ホームロジスティクスの松浦社長は「ホームロジスティクスはラストワンマイルの組み立て配送が機軸の一貫物流を担っている会社。ニトリグループで海外から毎年15万TEUを輸入している。これは東京ドーム13個分の床面積で、保管・仕分け・配送を行っている。全国78の営業所を基点に、日本国内の人口カバー率は98%、年間560万件の届け数になる。2016年度には610万件と見込んでいる。これには外販は含んでいない。これだけの物流量に対して、一番の問題は季節波動。曜日によっても約2.5倍の変動がある。これが生産性を妨げている一つの要因。今後、少子高齢化で総労働人口が減るのは確実だが、私たちが問題にしているのは総労働時間。残業や有休時間も増えることはなく、男性の育児休暇なども一般化すると、総労働時間も減りこそすれ増えはしない。その前提で経営計画を立て、スローガンとして新技術を積極的に投入して生産性向上を図るとしている。それが今回のオートストア導入につながっている」と話した。

<オートストアをバックに白井社長(右)と松浦社長(左)>
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なお、白井社長と松浦社長はオートストア導入にあたり、国内導入事例がないために、ヨーロッパに視察に出掛け、数か国の施設を訪れ、労働環境に配慮されたシステムの素晴らしさに、感銘したという。

また、アマゾンのキバシステムなど複数のシステムも考慮したが、通路スペースの削減や取扱アイテムが比較的大きな家具類が中心となるため、このシステムに決定したという。

投資額は非公表だが、当初5年以内の償却を考えていたが、現在のペースだと3年から4年で償却できる見通しだ。

最後に白井社長は「物流のさまざまな課題は物流だけでは解決できない時代になっている。たとえば、包装や形態により、商品自体がコストアップしても、物流での最適化を図ることで、トータルなコスト削減を図り、最適化できる」と述べた。

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