国土交通省九州地方整備局と西日本高速道路(NEXCO西日本)は5月23日、開通1年後の東九州自動車道のストック効果を発表した。
2016年4月24日に東九州自動車道 椎田南IC~豊前ICが開通し、北九州市から宮崎市までの高速道路が南北に1本で繋がった。開通からおよそ1年が経ち、企業立地や物流、観光など、沿線での効果が表れ始めている。
東九州道の開通で物流輸送ルートに変化が起きている。北九州市~宮崎市間の所要時間が約65分短縮し、輸送回数が約1.2倍に増加した。
大分県と宮崎県間の陸上アクセスが向上し、東九州道を利用したトラック輸送と海上輸送を組合せによる新たな物流輸送ルートが構築、カーフェリーの利用台数は約10%増加した。
トラックドライバーの拘束時間が年間約27万時間削減され、過労運転撲滅に貢献している。
宮崎の物流事業者からは「東九州道の開通や労働時間等の改善基準に伴い、東九州道+カーフェリーの利用数が、開通前より週1~2便増加している。開通前は拘束時間が長く、長時間労働となっていたが、新たな輸送経路を利用することで、ドライバーの労働環境が大幅に改善している」との声が挙がっている。
経済面では、東九州道の延伸や開通に伴い、沿線の市町では2009年から7年間で約670件の企業が進出。特に大分市では製造関連の立地件数が大幅に増加した。
新たに約1.2万人の雇用が創出され、地域経済の活性化に寄与している。
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