東京都とヤマト運輸、東京水辺ラインを運営する東京都公園協会は8月10日、隅田川の墨田区吾妻橋船着場から明石町・聖路加ガーデン前の区間で「客貨混載」の実証実験を行った。
観光で東京都を訪れた顧客から預かった荷物を水上バスで輸送し、顧客が観光を楽しんでいる間に目的地まで配送することを想定して、定期運航中の水上バスで模擬貨物を輸送し、搬入・搬出における所要時間や人員、船内での安全性確保のための人員配置、旅客輸送への影響等を確認する。
3者が実証実験を行うことになった経緯について、東京都建設局河川部の松浦大輔課長は、「ヤマト運輸さんが早く荷物を届けたいという希望を持っている、東京都公園協会では顧客のサービスを拡充したいという話を聞き、東京都が加わり河川の有効活用ということで発足したもの」と話した。
また、ヤマト運輸の東京主管支店東京臨海法人営業支店の高井宏昌課長は「実証実験を始めたばかりで、何も決まっていないが、観光客目的の荷物の配送だけではなく、災害時などの緊急配送などの可能性も念頭に入れている」と述べた。
<搬出時>
水上バスが墨田区吾妻橋船着場に到着後ボックス1個につき約2分30秒で搬入を終え、11時2分に出発。約50分で明石町・聖路加ガーデン前の船着場に到着した。同様にそれぞれ2分30秒で搬出を終えた。
積み込んだボックスは2個で、それぞれにトランクが2個入る容量。船内の隅に固定されて運ぶ。スペースは現在のところ法的基準からこのスペースしか使えないが、今のところ船の改造は予定していない。
船内にヤマトの社員が乗り込むのか、搬出・搬入時だけいるのか、船内に観光客が多い場合の対応、コースや価格の選定など、今後も実証実験を続けていくとしている。
<搬入時>
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