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ヤマト運輸、長良川鉄道/鉄道利用の「客貨混載」本格運用開始

2018年02月21日/3PL・物流企業

ヤマト運輸と長良川鉄道は2月21日、岐阜県関市の関駅と郡上市の美並苅安駅の区間で、全国で初めて鉄道にヤマト運輸の社員が同乗せず、無人で乗客宅急便を混載する「客貨混載」を開始した。

<客貨混載輸送の実施区間>
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<車内で固定される荷物保管ボックス>
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概要は、ヤマト運輸岐阜ベース(関市)から郡上支店(郡上市)間での、宅急便の幹線輸送の一部を長良川鉄道の列車で輸送する。実証実験では、ヤマト運輸の社員が同乗していたが、本格運用にあたっては無人での運用となった。

ヤマト運輸と長良川鉄道は、2017年11月から「客貨混載」の実証実験を行い、セールスドライバー(SD)の労働環境の改善や環境負荷の軽減などの効果検証、乗客と貨物を混載する際の安全性の確保といった課題への検討を実施した。

実証実験の結果、SDの1日の走行距離が約24㎞削減し、運転時間の削減や夜間の業務の圧縮により、1日あたり約2時間の時間削減効果が得られ、CO2の排出量を抑えることで、環境負荷の軽減にも一定の効果が見られた。

乗客がいる状態でも、作業の安全性を十分に確保することができたことから、両社は2月21日から、関駅と美並苅安駅間で、本格的な運用を開始することにしたもの。

地域の住民には、地域の鉄道路線網が安定的に維持されるので、地域の生活基盤の維持・向上につながる。また、ヤマト運輸のSD が集配地域に滞在できる時間が増えるため、当日発送の集荷締め切り時間を延長できるなど、宅急便のサービスをより便利に利用できるようになる。

長良川鉄道は、車両内の空きスペースで宅急便を輸送することで、新たな収入源を確保することができる。

ヤマト運輸は、移動時間が大幅に(約2時間)削減でき、集配効率が向上し休憩時間が取りやすくなるなど、働く環境の改善が見込まれる。

また、SD が集配地域に滞在できる時間が増えるため、地域の顧客からの要望に対しても柔軟に応えることができるようになる。

1日あたりのトラックの走行距離を約24km削減することができ、燃料費やCO2 排出量の削減にもつながる。

<運用フロー図>
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■運用フロー
1.ヤマト運輸岐阜ベースから関駅まで荷物を輸送。
2.関駅で列車に、駅係員が宅急便を積載。
3.列車が関駅を発車(13 時16 分)し、美並苅安駅まで客貨混載で輸送。
4.列車が美並苅安駅に到着(13時55分)し、ヤマト運輸SDに荷物を引渡し。
5.ヤマト運輸SDが集配車両に荷物を積載し、郡上市美並町の届け先へ配達。

<出発式、左から関市 桜田企画部長、美濃市 武藤市長、中部運輸局 石澤局長、長良川鉄道 日置社長、ヤマト運輸中部支社 西出支社長、岐阜県 朝倉公共交通課長>
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