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ジヤトコ/小型部材の整理作業で低価格ロボット導入

2018年09月25日/IT・機器

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TechShareは9月25日、国内正規代理店として取り扱うロボットアームDOBOT Magicianとビジョンシステム開発プロジェクトをジヤトコより受注し、その第一弾のプロトタイプ納品が完了したと発表した。

<小型部材の整理作業でのロボット利用>
20180925jatco - ジヤトコ/小型部材の整理作業で低価格ロボット導入

今後、ジヤトコでの生産工程でのフィールドテストなどを通して改良を重ね、小型部材の整理作業などをDOBOT Magicianを利用した低コストシステムの実現を目指す。

ジヤトコの自動車用トランスミッション生産工場では、投資効果の大きいメインの製品組立ラインや部材搬送システムなどは、既にロボットなどによる自動化が実現されているが、ネジやナットなどの小型の部品の整理やその他軽作業は、多品種少量生産が求められる現状では、高額なロボットアームやカスタムパーツフィーダーなどを投入することがコスト面の問題で課題があった。

DOBOT Magicianは、ロボットアームの本体価格が13万9000円とアルバイト作業員1か月分の給与に満たない投資で購入できる本体重量約4.0kgの小型の低価格ロボットアーム。

元々は、次世代の技術者を育成する教育用に開発されたロボットアームだが、500gの可搬、0.2mmの繰返し精度、メーカー保証ではないが200日以上の連続稼働にも耐える耐久性を有することから、従来、導入コストの問題でロボットアームの導入検討が困難であった作業工程を、このロボットアームで代替する可能性を開く、現在、注目されている。

今回ジヤトコからTechShareが受注した開発プロジェクトでは、このDOBOT MagicianとRaspberry Piをコントローラとして採用し、小型パーツの整理作業ができるビジョンシステム付の小型ロボットアームシステムを低価格での実現を目指すもので、その初期プトロタイプの開発が完了し、現場での実利用を想定した実証試験を開始した。

ジヤトコのユニット技術部 主管 川本 典弘は、「ジヤトコでは、202x年に目指す生産のありたい姿として、5つのゼロの目標を掲げ、製品、工場、工程それぞれに戦略を持って活動を推進中です。なかでも、工場/工程における戦略のありたい姿である組立ラインの無人化を目指すために、自動化の促進がより一層望まれています。大型投資を前提とした産業用ロボットなどを使った自動化設備の導入も進んでおり、生産ラインでの更なる生産性向上を進めるための新たなアイデアを検討中です。その実現のため、低コストで実現できる最新のテクノロジーをいち早く導入し、ボトムアップのアプローチで、アジャイル型の開発や投資で現場に合わせて改善を進めていくことも促進中です。DOBOT MagicianとRaspberry Piは、このようなアプローチの考え方にフィットする性能とコストバランスを持っています。生産現場で利用するにあたり、これらの機器は機能面では、追加開発が必要となりますが、その投資効果については、大きなポテンシャルがあると感じています。今後、フィールドテスト、追加開発を加え、ジヤトコの生産現場で利用できるパッケージを構築していきたいと考えています」と述べている。

TechShareの重光貴明代表取締役は「多くの日本の生産工場のメインラインでは、従来型の大口投資を必要とするロボットによる自動化は既に完了しています。今後のIndustry 4.0時代のSmart Factoryでは、低価格で導入できるようになった最新のコンポーネントをいち早く導入し、個々の現場の状況に合わせたアジャイル型開発で改善していくことが重要です。今回の開発プロジェクトでは、DOBOT MagicianやRaspberry Piが採用され、弊社とパートナーのエンジニアリングサービスで、実際の生産工場の現場で稼働を前提としたプロトタイプシステム開発ができたことで、今後のビジネスユースの可能性を広げる大きな転換点になったと考えています」と説明している。

DOBOT Magicianを利用する現場では、顧客毎に異なった対象物を、異なった環境で作業することが要求されるため、追加のハードウエアやソフトウェア開発が必要になるケースが多くある。

TechShareでは、今回のプロジェクトでソフトウエア開発を担当したMTMシステムズをはじめDOBOT Magicianの産業界等での利用を促進するためのエンジニアリングパートナーネットワークの整備に取り組んでいる。

■DOBOT社(Shenzhen Yuejiang Technology 社)
社名:Shenzhen Yuejiang Technology
所在地:Shenzhen市、中国
設立:2015年
http://dobot.cc/

■TechShareについて
社名:TechShare
所在地:〒135-0016 東京都江東区東陽5-28-6 TSビル
設立:2012年1月
資本金:2,000万円
代表者:代表取締役 重光 貴明
・オープンソースハードウエア事業関連サイト
http://www.physical-computing.jp/

・TechShare
http://www.techshare.co.jp/

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