商船三井は10月11日、古野電気、商船三井テクノトレードと共同開発したAR(拡張現実)技術を用いた航海中の操船支援システムを、大型原油タンカーに試験搭載すると発表した。
10月12日竣工予定の新造船「SUZUKASAN」で運用し、効果を検証する。
操船支援システムでは、自動船舶識別装置(AIS)の情報をベースに、自船周囲で航行する他船やランドマーク(海上に存在するブイなど)等の情報を船橋フロント部に設置したディスプレー上に表示し、船橋からの風景を撮影した映像もARを用いて重ねて表示させることで、運航中の乗組員の操船や見張りを視覚的にサポートする。
ARを用いた操船支援システムは、次世代型自動車運搬船「FLEXIEシリーズ」の1番船「BELUGA ACE」にも3月から試験搭載しており、SUZUKASANに搭載するシステムではBELUGA ACEで実施してきたトライアルの結果を踏まえて、当直航海士がディスプレー上で他船の船速・最接近時間・最接近距離といった航海情報を確認できる様、AR表示画面を改良している。
今後、商船三井では、ARを用いた航海中の操船や見張りをサポートするシステムの搭載を順次拡大していく予定だ。
川崎汽船、商船三井、日本郵船など/液化CO2輸送船の標準化を共同検討