ESRは、埼玉県久喜市でマルチテナント型物流施設「ESR久喜ディストリビューションセンター(DC)」を9月30日に竣工し、内部を初公開した。
施設は、東京理科大学から取得したキャンパス跡地の一部8万1000m2を再開発して建設した。
鉄骨造地上4階建て延床面積15万1000m2、1フロアあたりの面積は埼玉県内で最大級の3万5000m2で、最小区画7920m2から入居できる。土地の取得、建設などに総額250億円を投じた。
東北自動車道の久喜ICから2.5km、圏央道の久喜白岡ICから5.0㎞と、高速道路へのアクセスに優れた立地で、3.3kmの距離にあるJR・東武伊勢崎線の久喜駅からはバス通勤が可能。
すでに全体の4分の1で企業と契約締結に向けた協議が進んでおり、満床稼働時には400~500人規模の従業員雇用が見込まれている。
建物は1~3階までが中央の車路を挟んでトラックバースと倉庫を配置した構造になっており、車路の両端には合計2基(各上り下り専用)のランプウェイが設けてある。
3階と4階は2層を一体利用するメゾネット構造になっており、上下搬送設備として荷物用エレベーター8基と垂直搬送機4基を設置している。
庫内の仕様は、梁下有効高5.5m、床耐荷重1.5トン/m2、柱間隔10.2m×11.0m。
トラックバースは1~3階に54台分ずつ合計162台分設けてあり、各階のバースにはドックレベラーが8基ずつ設置されている。
事務所スペースは、各階に4か所ずつ設けられている。いずれも床面積200~300m2程度、天井高2.8mと、広々とした造りになっている。
最上階(4階)には従業員が休憩などに利用できるラウンジ「KLUBB lounge」を設置。ESRのスチュアート・ギブソンCEOや同社のコンストラクションチーム、一級建築士事務所タカトタマガミデザインが一体となってデザインし、遊び心と機能性を併せ持った快適な空間を構築した。
内装には木材がふんだんに使用されており、木の暖かみとほのかな香りがフロアを包み込む。
また、1階には従業員などが利用できる託児所「BARNKLUBB」を併設し、小さい子どもを持つ母親が安心して働ける環境を整備した。
ラウンジや託児所などのアメニティを充実させているのは、ESRが物流施設開発で掲げる基本理念「HUMAN CENTRIC DESIGN.(人に優しいデザイン)」に基づいた取り組み。
従業員が快適に働くことができる環境を整備することで、テナント企業による採用活動を後押しする。
そのほか、ESR久喜DCでは、屋上太陽光発電による再生可能エネルギーの活用や、庫内や事務所、共用部でのLED照明の採用など環境負荷の低減にも最大限に配慮。
災害時は周辺住民の一時避難場所として利用できるよう、久喜市と協定を締結しており、雇用創出に加えて地域の防災にも貢献する。
■概要
名称:ESR(イーシャンレッドウッド)久喜ディストリビューションセンター
所在地:埼玉県久喜市下清久500
敷地面積:約8万1000m2
延床面積:約15万6000m2
構造・階数:S造・地上4階建
着工:2017年6月1日
竣工:2018年9月30日