CBREは1月31日、全国の物流施設市場動向（2018年第4四半期）を発表した。
それによると、首都圏全エリア、近畿圏、中部圏のいずれにおいても賃料が上昇しているとしている。
今期（Q4）の首都圏大型マルチテナント型物流施設（LMT）の空室率は4.8％と、前期から1.3ポイント低下した。2015年Q3以来の低水準。年末にかけて予想以上のペースで空室が消化され、新規需要は12万2000坪と四半期ベースで2004年の調査開始以来過去2番目の規模を記録した。
新規供給は3棟合計8万9000坪。そのうち1棟が満床で竣工するなど、新築物件のリーシングも順調です。需要の強さを背景として首都圏全エリアで実質賃料が上昇し、首都圏全体の平均は対前期比プラス0.2％の4150円／坪となった。
今後の新規供給は、2019年Q1に20万6000坪、2019年Q2に10万坪が予定されている。いずれも、2016年～2018年の四半期平均を上回る規模。しかし、これらのリーシングは順調に進んでいるため、2019年Q2の空室率は4.9％にとどまると予測している。
近畿圏LMTの空室率は13.0％、対前期比2.0ポイント低下した。内陸の新規供給1棟が満床となったほか、湾岸部の需給バランスもさらに改善した。実質賃料は対前期比1.4％上昇の3530円／坪となった。近畿圏で賃料が上昇するのは、2015年Q3以来。
向こう2四半期の新規供給6万2000坪は、2016年以降でみると落ち着いた供給量。ただし、物流用地としては新興の立地での開発もあることから、2019年Q2の空室率は今期から微増の13.4％を予測している。
中部圏LMTは今期は新規竣工がなく、既存物件で空室消化が進んだ。空室率は対前期比4.0ポイント低下の4.6％となり、実質賃料は3550円／坪と0.3％上昇した。
2019年Q1、Q2には計7万7000坪の新規供給が集中する。そのため、空室率は一旦上昇するものの、その後は段階的に低下すると見込んでいる。
