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CBRE/倉庫の新設・移転・再編・増設計画がある企業が69%

2019年02月22日/調査・統計

CBREは2月22日、物流業と荷主にアンケートによる物流施設利用に関する意識調査2019「人手不足時代の物流戦略」を発表した。

<倉庫の新設・移転などの計画>
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それによると、倉庫の新設・移転などの計画の設問に、69%の企業が、「移転・再編」または「増設」計画があると回答した。何らかの計画があると回答した企業のうち、「拠点数を増やす」が63%、「面積を増やす」が78%。拠点・面積ともに「増やす」と回答した企業は55%を占めた。「面積を減らす」と答えた企業は、わずか2%にとどまった結果だった。

<倉庫を新設するまたは検討する場合、重視する項目-立地・建物->
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倉庫の新設・移転での重視する要件では、コスト(賃料、管理費)、立地(通勤利便性、労働力確保)、立地(荷主、配送先)がベスト3となった。倉庫選択で重視する要件は、まず賃料、次に雇用を確保しやすい立地ということだ。

<倉庫を新設するまたは検討する場合、重視する項目-設備・装備>
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また、LMT(大型マルチテナント型物流施設)倉庫の設備・装備については、天井高5.5m以上、床荷重1.5t/㎡以上、バース、高床式プラットフォームが全体の55%を占める最重要項目となっている。逆に、このところLMTで採用されているカフェテリア、コンビニ、保育施設は重視されていない結果となった。

荷主と物流事業者で大きく分かれたのが、空調設備の有無。物流業では10位だが、荷主では4位となる。荷主企業では、小売業を中心に倉庫内作業の比率が高いと推定されるため、従業員の作業環境をより重視する傾向があると分析している。

<倉庫を新設・移転の立地戦略>
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倉庫を新設・移転する場合の立地戦略では、物流業では「物流集積地(賃料:中位)」の回答が58%と過半が集中した。一方で、荷主企業の希望立地は回答が分かれた。荷主企業は、商品構成や店舗展開の強みを、物流戦略にも反映しようとしている。そのため、立地選択においても、独自色が強く表れると考えられる。

<利用したい新技術・新サービス>
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今後利用したい新技術・新サービスでは、「無人搬送機、物流ロボット」、「自動化設備」が2トップ。人手不足対策に有効と考えられる技術に、最も関心が集まった。

<物流戦略上の課題>
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物流戦略において、課題と考えているものについての設問では予想されたとおり、倉庫作業員やドライバーの雇用確保が一番の課題に挙がった。物流業界では人材不足が著しいことが、政府統計にも表れているとしている。

この「人手不足時代の物流戦略」の解説を行ったCBREの高橋加寿子リサーチシニアディレクターは「物流業と荷主企業で回答が分かれた項目は注目に値する。物流業の回答者は、最大公約数である中間立地に、合理化に有効な大型拠点を希望する傾向がみられた。一方で荷主企業の回答者は、立地も規模も希望は千差万別。従業員を多く抱える作業環境を反映し、空調設備の設置を検討する企業が多いなど、設備面の要件にも違いが出た。貸主の開発戦略は、テナントターゲットをどこに置くかによって変える必要がありそうだ」と述べた。

また、「最近のテナント契約は荷主側が約4割程度占めている。以前は圧倒的に物流事業者が多く、8割程度だった。これは、より物流の価値が認められるようになったものと考えられる。一時、物流子会社を作り、物流を管理しようとした荷主側が途中で3PL事業者に委託し、その後今日の物流変革の事態を迎えて、改めて挑戦しようとしている構図になっている」と話した。

なお、調査期間は2018年9月から10月まで、有効回答数は物流業が191件、荷主企業が80件の合計271件だった。

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