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愛ト協/50歳以上のトラックドライバーは長時間走行に注意

2019年03月28日/調査・統計

愛知県トラック協会は3月28日、大同大学との共同研究で、運送事業者の車両事故の低減・未然防止を目的とした、デジタコデータや適性診断結果などドライバー自身やその運転特性と車両事故発生率との関係性について、データ分析を行ったと発表した。

<運転特性と車両事故発生率との関係性>
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それによると、「50歳以上」「連続走行時間が長い」「昼便」「速度オーバーを頻発」だと、事故発生率が高まる傾向となった。ドライバーの加齢に伴い事故発生率は高まる傾向があるとする結果が得られた。経験の長さや技量の習熟度とは別の、意識的な注意喚起も必要であることがうかがえる結果となった。

また、連続走行時間の長さ、夜便よりも昼便、速度オーバー回数の多さとの関係性が高かったので、運行管理者は、配車を組む際には各ドライバー間の偏りを極力無くし、運行データを監視する際には、連続走行時間や速度オーバー回数を、 とくに厳格に管理・指導していくべきだと考えられる。

今回の分析では、当初想定された急発進や急減速の回数と事故発生率との関係性は認められなかった。しかしながら、これは今回データ提供に協力いただいた桜運輸が、早くからエコドライブはじめ安全運転に積極的に取り組んできた事業者であり、急発進や急減速は運行時のやむを得ない道路状況など、不可避の場合によるものであったためではないかと推察している。

年々深刻さを増しているドライバー不足は、絶対的な人員数の不足に加え、高齢化も進んでいる。分析結果では、加齢に応じて安全運転対策も変化させる必要性があり、それと共に、新たな担い手となる若年層のドライバー人材の採用と育成が急務であることを、改めて裏付けた、としている。

加えて昨今、デジタコや適性診断などのデータは、多くの運送事業者が保有していながら、その活用は極めて限定的であるのが実態。今回は、試験的な意味で桜運輸1社の協力を得てデータ分析を行ったが、愛ト協では今後、少なくとも20社程度の事業者からデータ提供に協力してもらい、分析精度の向上を図り、車両事故の低減・未然防止の実現に向けた、さらなる提言を行っていくとしている。

■共同研究の概要
研究テーマ:「車両事故の低減・未然防止に向けた既存データの活用」
研究者:大同大学工学部 樋口 恵一 研究室
データ提供:桜運輸
使用データ:計43名のドライバーの
 運転実態…運行記録(2017年9月~2018年8月)
 運転適性…適性診断結果(2017年6月)
 事故経験…事故災害報告書(2015年9月~2018年8月

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