日本GLPは4月3日、埼玉県新座市でBTS型物流施設「GLP新座」を竣工し、内部を公開した。
地上4階建て延床面積3万m2の施設で、総合物流企業の第一倉庫冷蔵が1棟全体を賃借。埼玉県南部を中心に集中展開している物流拠点の中核的拠点として位置づけ、6月から菓子と食品を扱う共同配送の拠点として稼働させる。
1~3階が定温倉庫(設定温度18℃)、4階が常温倉庫となっており、各階に合計2万5000パレットの移動ラックを導入。トラックバースは1階両面に合計28台分を整備し、輸入コンテナの取り扱いに対応するためテーブルリフター1基を設置した。
庫内は、移動ラックを設置できるよう1~3階の天井高を6.5m、床荷重を1.7トン/m2に設定。また、上下搬送設備は垂直搬送機8機と貨物用エレベーター1基を導入し、保管・入出荷の効率向上を図っている。
建設地は新座市が区画整理事業で整備した土地で、都心部から25km、関越自動車道「所沢IC」から1.5km、東京外環自動車道「和光IC」も利用可能で、国道254号線からも至近の立地。埼玉県南部から南西部、また東京都の城北・城西、多摩地域などの幅広いエリアへの配送に対応可能だ。
今後、日本GLPは4温度帯(冷凍・冷蔵・定温・常温)をカバーするBTS型・マルチテナント型施設を積極的に開発し、消費者の生活の変化によって増加の一途にあるコールドチェーン物流への需要を捕捉していく方針で、GLP新座は温度管理型倉庫の本格展開に向けた初の施設となる。
<第一倉庫冷蔵の有田治男会長(左)、日本GLPの帖佐義之社長(右)>
日本GLPの帖佐義之社長は、「新座市は、外環道沿いに残された最後の物流適地。この土地で、コールド・ストレージへの足掛かりとなる記念すべきプロジェクトを、冷凍・冷蔵を中心に実績のある第一倉庫冷蔵と進めることが出来たのは、今後にとって非常に良い経験となった。コールド・ストレージは数年前から温めていた構想で、ネットスーパーや総菜類の消費が増えて食品物流の在り方が変化したことで需要が増加している。今後は、さまざまな温度帯のサプライチェーンの将来的保管ニーズに対応できる技術力を探求し、テナント企業にとって最適な施設づくりを進めていきたい」とコメントした。
第一倉庫冷蔵の有田治男会長は、「既存の拠点と連携でき、首都圏や、主要顧客の食品関連企業が多く立地する甲信越、北関東地方へのアクセスの良さから入居を決めた。新施設では2~3000アイテムを取り扱う予定。当初は100人程度の従業員が就業し、これからアソート業務の開始でさらに増員が必要になるため、労働人口を補える立地も決め手になった」と語った。
■GLP新座の概要
所在地:埼玉県新座市大和田3-6-22
敷地面積:1万4955m2
延床面積:3万109m2
構造:鉄骨/耐震構造
着工:2018年4月
竣工:3月