商船三井は5月8日、グループ会社のMOLエンジニアリングがサタケと共同で、バラスト水中の生物検査に必要なサンプル水の濃縮作業を省力化できる装置「BALLAST CATCH(バラストキャッチ)」を開発したと発表した。
商船三井テクノトレードを通じて、5月15日から販売する。
BALLAST CATCHは、サタケが開発、商船三井テクノトレードが販売しているバラスト水生物検査装置「BALLAST EYE(バラストアイ)」を使用してバラスト水の生物個体数を検査する際に必要な、サンプル水を濃縮する作業の省力化を実現する機器。
従来は2人以上のスタッフが捕集ネットを用いて手作業で行っていた濃縮作業を、配管接続を行いバラスト水を流すだけで行うことが可能になる。
小型・軽量・電源不要の設計で、付属のバックパックに本体や付属品を入れて容易に船上へ持ち込むことが可能だ。
価格は「BALLAST EYE」とのセット販売で300万円(税別)。
商船三井はBALLAST CATCH、BALLAST EYEともに、「バラスト水管理条約」によってバラスト水中の生物個体数(プランクトン数)の排出基準が定められたことで、寄港国検査(PSC)を実施する各国官庁や船社などでの需要増加を見込んでいる。
■BALLAST CATCHの仕様
対象生物:最小径50μm以上の生物(Lサイズ)、最小径10μm以上 50μm未満の生物(Sサイズ)
濃縮時間 :(Lサイズ)約30分/m3(本体への供給水圧の0.05MPaの場合の目安)
付属品:サンプリングポート接続フランジ、給排水ホース専用バックパック
本体質量:約3.6㎏