大日本印刷(DNP)は7月3日、ボックスを開封しないまま内容物に貼付されたICタグの情報や温度センサーを読み取れる電波透過型の断熱ボックスを、ドイツのva-Q-tec AGと共同開発したと発表した。
<電波透過型断熱ボックス>
適切な温度管理が求められる医薬品などの輸送用として2020年に発売する予定で、年間10億円の売上を目指す。
新たに開発した断熱ボックスには、DNPの水蒸気や酸素等への高いバリア性を持つ「DNP透明蒸着フィルムIB-Film」や、真空断熱パネルで培ったノウハウ、va-Q-tecの真空断熱ボックス技術を活用した。
従来の断熱ボックスで真空断熱パネルに使用されていたアルミなどの電波を遮断する金属を使用しないことで、医薬品に張り付けたICタグや温度センサーとの無線通信を実現。
ボックスを開けることなく内容物を確認できるようになることから、ボックス内温度の安定化による医薬品の品質安定や、すり替えなどの偽薬防止対策に寄与する。