経済産業省は7月17日、同省が事務局を務める製・配・販連携協議会が「サプライチェーン イノベーション大賞2019」の受賞者を決定し、7月5日に受賞者の表彰を行ったと発表した。
合計12社(共同提出含む)からの応募案件を表彰選考委員会が審査した結果、サプライチェーンイノベーション大賞1件と、優秀賞3件を選定した。
<キユーピー、ライオン、日本パレットレンタルによる共同輸送>
大賞に選ばれたキユーピーは、2018年8月からライオン、日本パレットレンタルと共同で船舶による共通トレーラーを利用した共同幹線輸送を実施するなど、物流の効率化に向けた取り組みを実施しており、これらの取り組みが総合的に評価された。
また、優秀賞は、加藤産業、三井食品、フジ・花王グループカスタマーマーケティング(連名)の3者が受賞。このうち、加藤産業と三井食品は、配送効率化に向けた取り組みが評価された。
<加藤産業の入荷検品レスを用いた配送効率化の例>
加藤産業は、メーカーや運送会社、倉庫会社などと連携し、パレタイズ情報をデータ連携することで入荷検品作業を簡略化。これにより、車両待機時間で従来比90%減、納品作業時間で50%減、車両台数で50%減、検品作業時間で85%減などを実現した。
<三井食品が取り組んだ工場直送の配送フロー>
三井食品は、物流費高騰や物流面の慢性的人材不足に対応するため、配送効率化に向けてメーカーとの協業物流を実施。工場直送によって小口納品していた商品の発注をまとめ、入荷便数を週に3~5便削減し、配送車両の減車を実現するなど、物流効率化に向けたさまざまな効果を創出した。
サプライチェーンイノベーション大賞とは、サプライチェーン全体の最適化に向け、製・配・販各層の協力の下、優れた取組を行い、業界を牽引した企業に対して、製・配・販連携協議会がその功績を表彰するもの。