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ヤマトHD、ベル/米国テキサスで「空飛ぶトラック」の実験に成功

2019年08月27日/IT・機器

ヤマトホールディングスと米国テキストロン社傘下のベルは8月26日、米国テキサス州フォートワース郊外で、貨物eVTOL(電動垂直離着陸機)によるラストワンマイル一貫輸送サービスの機能実証実験に成功した。

<フライトの様子>

< ヤマトHDが開発した貨物ユニット「PUPA70XG」 の稼働イメージ>

実験では、ベルの自律運航型ポッド輸送機「APT70(Autonomous Pod Transport 70)」と、ヤマトHDが開発した貨物ユニット「PUPA(Pod Unit for Parcel Air-transportation:荷物空輸ポッドユニット)」を使用。

両社で開発した技術を連携し、APT70の空力特性を最適化した姿勢での自律飛行や、飛行中と地上での安全性や可用性、空輸からラストワンマイルへのシームレスな輸送形態の遷移、荷物の格納と取り出しに関する取り扱いの容易さを証明した。

今後、両社はこの成功を踏まえ、2020年代前半までにヤマトHDの荷物輸送システムにAPT70を導入し、前例の無いオンデマンド物流サービスの顧客満足体験を創りあげることを目指していく方針。

<ベルのMitch Snyder社長(左)、 ヤマトHDの長尾裕社長(中央)>

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ベルのMitch Snyder社長兼最高経営責任者は「我々のチームは民間物流に対する市場のアプローチを変える可能性を秘めた革新的なソリューションを開発してきた。両社でテクノロジーをさらに洗練し、この物流エコシステムの中で安全に運航できる効率的で機敏な機体を生産していく」とコメント。

ヤマトHDの長尾裕社長は「今回の取り組みのような革新的な技術を実用化するためには、まず物流現場での実用性の高い機能設計が不可欠。実験が成功したことで、新たな空の輸送サービスを構築するための大きな第一歩を踏み出すことができたと実感している。今後、2020 年代前半のサービス開始に向けて、eVTOLシステムの技術開発とサービス設計を加速していく」と述べた。

<APT70>

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<PUPA70XG>

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実験に使用したベルのAPT70は、テイルシッター型の電動垂直離着陸機に革新的なペイロードポッドを搭載。時速100マイル(時速160km)以上の速度で飛行し、70ポンド(32kg)を積載できる。

ヤマトHDが開発したPUPA70XGは、70ポンドまでの積載可能重量を持つ試験機で、巡航中には高い空力特性を持つ一方、地上ではさまざまな環境下で荷積み・荷下ろしや搬送を容易に行うことができる。

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