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総務省消防庁/ドローンで倉庫内等災害調査活用の適正度探る

2019年11月26日/IT・機器

総務省消防庁は11月17日、ドローンによる倉庫内等屋内空間での災害に対しての飛行性能、耐熱性能、ガス検知性能などを調査し、屋内空間の運用に必要な機体の機能等について提言した。

<屋内空間想定(飛行経路)>

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<各製品及び実験ごとの飛行可能範囲>

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それによると、屋内空間で発生したNBC災害等(生物化学兵器等によるテロ)において、ドローンを遠隔操作で進入させ情報収集を行うことができれば、消防隊員の負担が減らせることから、市販のドローンが屋内で活用できるか検証したもの。

検証方法は、屋内空間の飛行性能に関する実験、耐熱性に関する実験、ダウンウォッシュ(ヘリコプターやVTOL機の、垂直方向への推力につられて発生する下向きの気流(風))の影響に関する実験により、屋内飛行時の安定性、火災暴露を想定した不測の事態における挙動、ガス濃度測定への影響を確認した。

その結果、衝突を回避させるセンサが、扉、屋内階段、通路といった狭所を通過する以前に機体を制動させてしまうため、屋内空間を飛行する際、前後左右の障害物回避センサを無効化する必要があった。

屋内空間の飛行性能に関する実験(飛行可能範囲)では、飛行可能範囲より、情報収集については実用レベルでの活用ができると考えられる、としている。

<不測の火炎暴露でもフライトコントローラーの異常による暴走がないことが確認された>

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また、不測の火炎暴露でもフライトコントローラーの異常による暴走がないことが確認できた。

ダウンウォッシュの影響に関する実験では、ドローンに搭載した測定器ではダウンウォッシュが周囲の空気を撹拌させるため、特定箇所の少量のガスを検知することは困難と考えられるとしている。

以上のことから、実験情報を公開し、産業界へ消防活動現場のニーズを拡散することで、国内の消防活動支援資器材としてのドローンの最適化を支援する、としている。

■2018年度終了研究開発課題成果報告
https://www.fdma.go.jp/mission/develop/item/H30_seika_toushou.pdf

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