ハネウェルは11月26日、兵庫県で食品スーパーを運営するマルアイが加古川市に新設した「ロジスティクスセンター(2019年11月稼働開始)」の冷凍冷蔵システムに、ハネウェルのソルスティス N40(R-448A)冷媒が採用されたと発表した。
< ソルスティス N40(R-448A)冷媒 が採用されたマルアイのロジスティクスセンターパース>
<ソルスティスN40(R-448A)>
ソルスティスN40(R-448A)は、ASHRAE34基準クラスA1(不燃・無毒)で、国内では不活性ガスに分類される冷媒。ソルスティスN40のGWPは1387で、R-404A冷媒(GWP: 3920)に比べてシステムのエネルギー効率性を最大16%向上する能力を有している。
スーパーマーケットなどの冷凍冷蔵用途でR-404AおよびR-22(GWP: 1810)を代替するソルスティスN40は、既に世界中で2万3000店以上のスーパーマーケット店舗に導入されている。ソルスティスN40は、R-404AおよびR-22と類似した特性を有しているため、冷媒配管などの既存設備を継続して使用することができ、また設備メンテナンスについても従来冷媒と同様の方法で取り扱うことができる。
冷凍冷蔵エリア8250m2を有するロジスティクスセンターは、マルアイが県内に展開するスーパーマーケット63店舗(内、12店舗でソルスティスN40採用済)の物流ハブとなる施設。このたびの採用は、冷凍冷蔵倉庫用途でアジア初となる事例だという。
マルアイの堀徳治副社長は、「新しいロジスティクスセンターの冷凍冷蔵システム選定にあたっては、信頼性、安全性、メンテナンスのしやすさ、環境性と経済性を総合的に勘案した。当社では既にスーパーマーケット店舗でソルスティスN40冷媒を用いる冷凍冷蔵ショーケースを導入しており、省エネ性や性能を実感できていたことから、最終的に採用を決定した」とコメント。
このロジスティクスセンターで採用されたパナソニック製のコンデンシングユニットは、低温(冷凍)および中温(冷蔵)域ともにソルスティスN40に適合するモデルで、R-404A冷媒を使用する従来モデルに比べ、エネルギー効率性を7%、R-22冷媒を使用する従来モデルに対しては約30%向上する。
日本ハネウェル、アドバンスド・マテリアル事業部の竹田学部長は、「環境規制によって従来冷媒のR-404AやR-22の削減が進むに従い、国内の食品流通業では長期的に有用な代替策を講じていくことが大きな課題となっている。このたび、マルアイが新設した物流センターにソルスティスN40を採用したことで、今後数十年にわたって持続可能な運営に役立つことになった」と話している。