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CBRE/投資家は安定性で物流施設選択、テクノロジー導入重要性増

2020年09月15日/調査・統計

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CBREは9月15日、「COVID-19下の不動産投資戦略」を発表した。

<COVID-19感染拡大による取引に対する影響(回答率)>
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それによると、新型コロナウィルス感染拡大を受け、不動産投資家を対象とするアンケート調査を、今年に入ってこれまでに3月(10日~31日)と6月(9日~30日)の2回にわたって実施した。6月調査では、「感染拡大は取引に影響があった」と回答した投資家は全体の53%で、3月の調査結果に比べて12ポイント増加した。そのうち、「取引が中止・延期になった」と回答した投資家は37%と、同14ポイント増加した。緊急事態宣言下の4月から5月までの間に、中止や延期などに
至った取引が増加したものと考えられる。

5月25日に緊急事態宣言は解除され、経済活動は徐々に再開されてきている。6月のアンケート調査で不動産投資戦略に対する影響を尋ねたところ、感染拡大前に比べて「投資方針は変わらない」と回答した投資家は全体の75%を占め、3月の調査結果に比べて13ポイント増加した。

一方、「取得額を減額」・「わからない」を選択した回答者の割合は、いずれも前回調査結果に比べて減少した。また、「物件のユーザー(テナントや来客者)で感染が判明した場合の対応」について質問したところ、「適切に対策すれば問題ない」と回答した投資家が全体の67%を占め、前回の調査結果に比べて14ポイント増加した。景気回復に対する期待が高まる中、必要な対策はとりながらも投資活動を再開させようとする投資家が増えているようだ。

<魅力的なアセットタイプ(回答率)>
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投資対象については、キャッシュフローの安定性を重視し、景気変更の影響を受けにくい物流施設や住宅を選好する傾向が強まっている。一方で、7月に入り、新型コロナウィルス感染は再び拡大しており、パンデミック収束の時期については依然として予断を許さない状況だ。

このような中、物流施設では、COVID-19がテクノロジー導入の重要性を再認識させる結果となった。もとより、テクノロジーによる自動化は人件費の抑制・削減につながるものとして導入されてきた。感染拡大以降は、庫内作業の少人数化による従業員の健康管理という点からも、自動化の貢献が期待されている。

「シティ・ロジスティクス」(ラストマイル配送の拠点となる中小型の都市型倉庫を活用した物流ネットワーク)の重要性がより高まっている。今年7月には大手不動産会社が新ブランドを発表し、都心の中小型物件に特化したビジネスモデルの構築に取り組み始めた。

ただし、都心には物流用途に適した土地が少ないこと、地価が高いことなど、「シティ・ロジスティクス」のマーケット拡大には課題が多い。そのため、新規開発だけでなく、収益が悪化している大型ロードサイド店舗を転用するなど、様々な取り組みが必要となるだろう、としている。

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