LNEWSは、物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信しています。





三井不動産ほか/長寿命リユース型物流トレース電子タグ開発

2021年02月25日/IT・機器

東京大学大学院新領域創成科学研究科、同マテリアルイノベーション研究センター、パイクリスタル、三井不動産、日立物流の共同研究グループは2月25日、長期安定な有機半導体温度/振動センサを開発し、低消費電力回路と組み合わせた長寿命リユース型物流トレース電子タグの実証実験に成功したと発表した。

<今後実施予定の長距離鮮魚物流の実証実験>
20210225mitsuifudosan 520x319 - 三井不動産ほか/長寿命リユース型物流トレース電子タグ開発

有機半導体を用いた温度センサ素子及び振動センサ素子は、低い消費電力と低コスト化が可能な優位性があったが、素子の耐久性に課題があった。今回開発したセンサ素子は、柔軟な低コストの封止材料を用いることによって、長期安定動作を実現した。

また、パイクリスタル社では、低消費電力のデータ処理回路と無線通信回路をすべてスクリーン印刷により作製した低コストの印刷基板上に実装する生産技術を確立し、センサデバイスとしての低コスト化と1年程度のバッテリー寿命を実現した。

実際に、30枚規模の試作デバイスを用いて、柏の葉スマートシティでの鮮魚物流及び、東京―大阪間で低温物流実験を実施し、有用性を実証した。さらに、2020年度中に、日立物流による実ルートでの医薬品物流と三井不動産による鮮魚物流に関する、生産者から小売店に至る一貫した商流における実証実験を実施する。

また、この実験にかかわるメンバーらが構成するスマートフィルムデバイスコンソーシアム(仮)では、安全・安心な物流サービスを提供する事業の手法や体制を検討する。

なお、近年、医薬品物流や食品物流において、安全で安心な商品を消費者に届けるニーズが高まっていた。一方、低温の輸送において、温度管理を継続的に実施するサービスは、コストや使い勝手の問題により、導入が十分に進んでいない。実際、温度などの情報を輸送中に継続して記録する機能を有し、無線接続可能で、パッケージの際に邪魔にならない薄型フィルム状のデバイス用いた低コストのサービスが望まれていた。

■実証実験について
実施済み実証実験
エリア内鮮魚物流の実証実験
期間:2020年6月12日、2020年10月30日
場所:柏魚市場→柏の葉スマートシティ内レストラン及びスーパーマーケット

一般冷蔵品物流の実証実験
期間:2021年1月20日~2月20日
場所:大阪~柏

医薬品物流の実証実験
期間:2021年2月24日
場所:埼玉県内日立物流拠点→岩手県内仲卸拠点

今後実施予定の実証実験
長距離鮮魚物流の実証実験
期間:2021年3月~4月(予定)
場所:連携先漁港→柏魚市場→柏の葉スマートシティ内レストラン及びスーパー

関連記事

IT・機器に関する最新ニュース

最新ニュース